【暗殺教室】放課後、月のカフェで２ (ページ32)

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「あんたに合わせて正々堂々、素手のタイマンで決着つけるよ」
「いい顔だぬ少年戦士よ。お前とならやれそうぬ。暗殺稼業では味わえぬフェアな闘いが」

攻め込みながら、相手の一挙手一投足に注目する。…俺がおじさんぬなら、どうする？
こんな時なのに、カッコ悪いことはしなさそうだって笑った彼女の顔が脳裏を過ぎる。好きな子にそんな風に言われちゃったら、期待に応えないわけにはいかないでしょ。いってきますって言っちゃったから、それを嘘にするわけにもいかないしね。そんなつもりは最初からないけど。

わかりやすく隙を見せた相手に、畳みかけるように…誘われたように突っ込む。持ち上げられた左手には、さっきの毒使いのおっさんが持ってたのと同じスプレー。やっぱり、同じこと考えてた。

誘いに乗って、うっかりガスを吸ったフリして倒れる。頭を持ち上げられてほんのちょっと肝が冷えたけど…余裕ぶってお喋りしてくれてるから、こっちも至近距離からガスを噴射できる。
しっかりとガスを吸い込んで余裕をなくした相手はナイフを持って突進してくる。さっきまでと全然違う。焦って繰り出される攻撃なんて野生動物みたいなもんだ。軽く往なして押さえ込む。

「ほら寺坂、早く早く。ガムテと人数使わないとこんなバケモン勝てないって」

間抜けな顔して呆けちゃってるみんなに声をかける。

「大した奴だ少年戦士よ。敗けはしたが楽しい時間を過ごせたぬ」
「え、何言ってんの？楽しいのはこれからじゃん」

ちょっとしたお喋りの後、ふっと笑ったおじさんぬに最大級の笑顔で告げる。

こんだけ拘束しちゃえばもう警戒の必要なんてないもんね。勝ったのは俺のはずなのにおじさんぬは相変わらず上からでなんか腹立つし。
Aちゃんへの土産話に…ま、不良に絡まれてムカついたからちょっとお返しした、ってことで。どんなリアクションが返ってくるか楽しみだな。

わさびにからしにブートジョロキア、鼻クリップと猿ぐつわ。袋の中身も、やってやりたいこともまだ色々あるけど…時間もないし、ま、こんなもんか。
この間の失敗から、ちょっとは挽回出来たと思うし。…Aちゃんには、後でお礼、言っとこうかな。