【暗殺教室】放課後、月のカフェで２ (ページ4)

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「水卜くんちってどこ？」
「ん？あっち」
「……通り過ぎてる…。なんで言わないの…」

来た道を指さした水卜くんに、男の子ってそうなの？と思う。誰かさんと似たようなやりとりをした気がするんだよね。

「千月を家まで送っていこうと思って」
「いやいや、そういうのは良いよ。まだ全然明るいし、大丈夫。お気遣いありがとね～」

ほんと、申し訳ないからいいよ～と水卜くんをおうちに帰るように促したら、ちょっぴり不満げな顔をしたような気がした。…気のせいかな。

「そっか。じゃあ帰るわ。…風邪、引かないようにな」

まだ濡れてる私の髪を掬って、にっこり笑った彼に思わず固まってしまった。なんだろう…いい人だとは思うんだけど…発言内容とか、こういうとこ。ちょくちょく距離感間違えてるんじゃ？って気がするな、この子…。

「うん。水卜くんも気を付けて。ばいばーい」

平静を装って手を振っておいた。なんか…なんだろう…ぞわぁってした。なんだろう…ちょっといやな感じ…。髪の毛なんて人に触られる機会あんまりないからかな…ごめんねー…。
ぞわぁ、というよくわからない感覚になってしまった、という事実が…なんだか水卜くんに申し訳ないような気がして、心の中で彼に向けて手を合わせておいた。

今日はかるまくんに会わなかったな…。
バイトもなかったし、当たり前と言えばそうなんだけど。というか、昨日の今日で、彼の好きな子についての心の整理はついてないんだけども。昨日迎えに来てくれたのは、ただの気まぐれだったのかな。それとも、急に逃げちゃったの、怒ってるかな…。

「Aちゃん。なーに人んちの前で変な顔してんの」
「うっわぁ！？ってうわっ、ほんとだごめんね！？」

突然かけられた声になんかもういろんな意味でびっくりした。急に声かけてくるし、その相手はかるまくんだし、よりにもよってかるまくんちの前で立ち止まって考え込んじゃってたし…。

「プール開き、だったんだっけ」
「ん、そうだね…プール…」

髪長いと大変なんだね、と自分の髪を確かめるように触った後私の髪に触れる。…な、なんなの？最近は異性の髪を触るくらいは当然なの？

「…体育が6限目だったから余計にかも。かるまくんも、プールの授業あったの？全然濡れてない…。髪短いとこういう時に便利なんだね」

びっくりさせられたお返しに、かるまくんの髪の毛に手を伸ばしてみた。頭撫でた時に思ってたけど、さらさら。ちょっと柔らかめで、綺麗な髪だな。