【暗殺教室】放課後、月のカフェで２ (ページ27)

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そういうのはね、大体雰囲気と勢いでどうにかするもんなんだよ！知らんけど！
そんな適当極まりないアドバイスを今だけは信じて、お礼を言いながらこつんと額を合わせてみた。

…自分でやっておいてあれなんだけど、やっぱりだめ、むり。顔近すぎ…。

「っちょ、ちょっと…！はなれられないんですけど…！？」

くっつけたおでこを慌てて離そうとしたら、かるまくんの手が後頭部をかっちり固定してきた。
慌てる私に、くすりと…なんだかほんのちょっとだけ、色っぽい笑い方をして。猫が挨拶をするみたいに、おでことおでこを軽く擦り合わせる。

「…自分でやっといて顔真っ赤になるのはどうなの」

ようやく離れてくれた。
ちょっぴり呆れたように笑いながら、熱くなったほっぺをつんつんつついてくる。

「だって…」

だっても何もない、かるまくんの言う通りだなとは自分でも思うけども。かるまくんが離してくれないから、って彼のせいにしておいた。いや～盛大な自爆だったなぁ…。

「休憩終了～」

来た時と同じように、何事もなかったかのように。すすすっと元の位置に戻って、ペンを握り直した。顔に集まった熱はまだ引いてくれそうにはない。

宿題を再開してから、たぶん数十分ほど…。

「なるほどねー。わかった！こうでしょ」
「…何聞いてたの？違う。こう」
「あっれ。そ、そっち？なるほどね！？」

「どう？」
「…うん。合ってる。やっとわかった？」

さて。私の、私の方が年上なんだからどうこう、とか、迷惑をかけたくない、とか…そういう意地は一体どこに行ったのでしょう。

「かるまくんの解説、わかりやすいね。応用問題がこんなに簡単に解けちゃうと思わなかった」

正解はね。
『人に教えると自分の理解も深まるから、申し訳ないとか思わなくていい』っていうかるまくんから掛けられた最高級の甘やかしの言葉で粉々にされました。見る影もありません。
彼の優しさに甘えすぎたら、私はなんか、だめになる気がする。自分を戒めつつかるまくんの解説を聞く。

今日この後でも、今日じゃなくても。とにかくかるまくんをめいっぱい甘やかそう。甘えてくれるかるまくんはなんか、全然想像できないけども。
頼ってばかりになっちゃうのは嫌っていうのももちろん。
こんなに広いおうちに、ずぅっとひとりでいるのは…行ってきますにも、ただいまにも応えてくれる声が無いのは、それが当たり前になっちゃうのは、なんだか寂しいなって思っちゃったのも、少し。