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「Aちゃん？」
「んっ！？」
かるまくんの腕と自分の腕を見比べて黙り込んじゃった私の顔を少し不思議そうに覗き込んでくる。…なんですか、それ。新技…？ちょっと近いし…かるまくんの不思議そうな顔、ほんのすこーしだけかわいい。
「…うん…日焼けはしたくないけど、日焼け止め塗ったりするし大丈夫〜。外に出るのも全然嫌いじゃないよ。どこでも楽しいって思うし…前に言ったっけ？かるまくんと2人で楽しめることがいいです」
それでたぶんね。かるまくんが楽しそうにしてると私は嬉しくて、楽しくなっちゃうと思うの。だから、かるまくんがしたいこと、楽しめることを一緒に楽しみたいなって思うよ。
「そっか」
考えとくよ、だって。
「夏休みは長いけどあっという間なんだから、考えてたら終わった、だけはなしだからね」
「俺に丸投げなんてズルいからAちゃんもしたいこと、ちゃんと考えてよ」
「もちろん！」
考えるまでもなく、かるまくんとやってみたいことならいっぱいあるよ、実は。その中で夏じゃなきゃダメなのは…海、プール、川遊び、お祭りに花火、あとは…バーベキューとか。屋外は熱いし、水族館とか、かき氷食べに行くのもいいな、とかね。
「宿題がね…。かるまくんは早めに済ませちゃう派でしょ」
最終日まで課題に追われてるかるまくんはあんまり想像できないもん。
「あんなの5日もあれば終わるでしょ」
うーん…聞きたくなかった！要領の良い子は言うことが違うね。
「ん？じゃあもう片付けちゃってたりするんだ？」
「する」
うわ〜ドヤ顔だ。わかりやすくドヤ顔してきた。
「ええぇ…じゃあ一緒に宿題はできないんだ〜」
かるまくんと宿題やったら、いつもよりも早く終わりそうな気がしたのに。ほら、かるまくんがマラソンとかで言うペースメーカーみたいになってくれて？…まあ、宿題が早く終わるのはいいことだし別にいいんだけどね。
「一緒に勉強はしてあげなくもないよ。俺もやりたいことあるから」
「ほんと！？っていうか、かるまくんもちゃんと勉強とかするんだね…」
それはそうか。前に見たテストの点数、すごく、びっくりするくらい良かったし…。
「意外？」
「んー…まあ、ちょっと？でも、すごくいいことだと思う。何かを真剣に頑張ってる人は、かっこいいよ」
そこまで話して、ちょうど私の家に到着。最後に彼の頭を撫でてから手を振る。背伸びしないと上手く撫でられないから、ほんのちょっと敗北感。
「じゃあね！」
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作者名：nano* | 作成日時：2021年9月14日 21時
