【暗殺教室】放課後、月のカフェで２ (ページ14)

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木の陰に突っ立って、ぼんやり空を眺めたりスマホを弄ったりしながら待つ。たまーに通りかかる椚ヶ丘の生徒さんが、こんなところでぼんやりしてる他校生は珍しいのか、すごく見てくるからほんのちょっとだけ、もう一人で帰っちゃいたくなった。頼まれたわけでもないんだから帰ったらいいんだろうけども…。

まだかなぁ～。課外授業(？)結構長いことやってるんだ。

3度目の欠伸をどうにかかみ殺した少し後。山の上の方から話し声と足音が聞こえてきた。校舎以外の施設はないと思うし、終わったのかな。

「やっぱAおねーさんだ！」
「あ…こんにちは。お久しぶりだね？」

一番に山を下りて来て、声をかけてくれたのは元気くんだった。初めてお店に来てくれた時ぶり？相変わらずフレンドリーで良い子だな。彼のお友だちらしい子たちが『誰？』と元気くんを見る。お友だちに向けて、カフェの店員さん、って簡潔な紹介をしてくれたから、はじめまして～と軽い挨拶をしておく。

…っていうか。なにこの集団…顔面偏差値も身長もたかい。美男美女なんだけど…7人いて、そのほぼ全員が私より背高いんだけど…。若干の威圧感すら感じる。なにこの集団。
かるまくんと元気くんのおかげでちょっと親近感を覚え始めてた椚ヶ丘が、なんか、また遠いところに行ったような気がした。

「カルマ待ってんなら、もうちょっとしたら班の奴らと下りて来ると思うよ」
「…ほんと！？」

ほんのちょっと遠くを見つめてたら元気くんがかるまくんに関する情報をくれた。名前を聞くだけで嬉しくなっちゃうとか、自分のことながら単純だなぁと思う。

「あ。でも班の子と一緒かー」

深く考えないでびっくりさせちゃおーくらいの気持ちで来て、普通に待ってたけど…お友だちとの時間を邪魔しちゃうのはよくないな。そういうのはちゃんと大切にして欲しいし。

「あ！店名はフランス語なんだけど…月のマークの看板が目印の、月のカフェです。良かったら来てみてくださいね」

こんな機会もなかなかないから、宣伝しておくことにした。若いお客さんが来ると店長が元気な子たちを見てると元気出るねーって喜ぶので。

「…やっぱ店員の鏡だな」
「君もね？私がいる時全然来てくれないよね？仁井さんとは時々会ってるみたいですけどー」

仁井さんが元気くんの話をしてきたときはびっくりした。ほんとにまた来てくれたんだなーって。前に来た時は彼女さんを連れてたっていうのも、ばっちり聞いてますからね。