【暗殺教室】放課後、月のカフェで (ページ29)

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「透、どう？」
「かわいいかわいい」
「めんどくさいのもよーくわかってるけど、今日だけでいいから！ちゃんと感想言ってってば～」
「…俺はいつもの姉ちゃんのが好き」

……透から好きって言われたの、何年ぶりかなぁ…。

「好き？私も好きだよ～！かわいいかわいい！」
「今の服装より、いつもの服装のが、って言ったの！」
「わかった～！ご意見ありがとう透！大好き！」

良い子だからいっぱい抱きしめておこう。やっぱり持つべきものは可愛い弟だよね。
『ゆきちゃんの美人力にあやかってみよう大作戦！』で借りた服は、どうやら私には着こなせなかったらしい(そもそも身長差があるからサイズが微妙に合わないっていう問題には持ち帰ってから気づいたんだけど、せっかく借りたからって思ってとりあえず着てはみた)から、透の言う通り、いつも通りで行こう。

「なんかウザいくらい気合い入ってるけどなんなの、明日友だちと出かけるって言ってたけど、やっぱ嘘だったんだ。デートなの？」
「ウザいとか言わない。デートじゃないよ！この前困ってる時に助けてくれた子がいるんだけどね、その時のお礼に映画館に連れてく約束したっていうだけだよ。…私が私服で会うの初めてだから、勝手にすこーしだけ緊張しちゃってるっていうか…？」
「…相手、男なんだ」
「な、なんで！？」
「やっぱり」

なんでバレてるの？隠してたわけでもないけども。

「で、デートじゃないのはホントだからね…？」
「知ってる。姉ちゃんが咄嗟に、あんなすらすら嘘つけるわけないじゃん」
「…貶されてるよね？」

残念ながら私もそう思うから否定はできない。きょうだいって、ずっとお互いのことを見てきたから大体のことはわかっちゃうんだね。

「うん、まあ…えっと…ありがとね！透に好きって言ってもらえたから大丈夫な気がしてきたよー」
「服が、ね」

そんなに否定しなくてもいいのに。