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靴の中に水が入ったらしいAちゃんは、軽くそっち側に傾けた傘に駆け込んできた。
「かるまくん〜…」
「…そんな顔されても」
息を整えながら結構しっかり濡れた自分の体を見下ろした後、とんでもなく微妙な顔でこっちを見てくる。Aちゃんが傘持ってなかったのも、雨降ってきたのも、靴に水入ったのも、別に俺のせいじゃないでしょ。
「タオルとか、持ってないの？」
「今日は晴れって聞いてたからねー？ハンカチしかない！濡れる予定なかったのにびっしょびしょだよー」
…そのちっちゃいハンカチだけじゃ、どうにもならないだろうっていうのはよくわかる。
「傘、もうちょっとかるまくんの方に傾けない？肩、濡れてるよ？」
「…Aちゃんがもっとこっちに寄ってくれれば、お互いに濡れずに済むって思わない？」
ぴったりくっついても肩がちょっと濡れるのは仕方ないかってサイズなのに。距離を開けて歩くAちゃんのおかげで、さっきまで安全圏にいた俺の右肩がみるみる濡れていく。
「だって…あんまりくっついたらかるまくんの服に水しみちゃうよ？」
「別にいいよ、それくらい。まっすぐ帰るんだし」
俺のほうに近付くのを若干渋る彼女の腕を引いて、こっち側に引き寄せておく。
「やっぱり、今日はまっすぐ帰る？」
「…その格好で、どこ行く気なの？靴にも水入ったんでしょ。いいからこっち来なよ」
「…はぁい」
…ブラウス、濡れたおかげでちょっと透けてるし。そんな格好でどこうろつく気でいるの？雨のせいで風邪ひくのも困るだろうし。さっさと帰る以外の選択肢ないでしょ。
「…あ、あのー。あんまり見ないでもらえますか？なんか恥ずかしいでしょ…！」
「はいはい」
「って言いながら視線こっちに固定してるのおかしくないですか？かるまくんのえーっち。ちゃんと前見て歩かなきゃこけちゃうんだから。こけてびしょびしょになってもしらないからね」
「こけるのはAちゃんの仕事なんじゃない？」
「仕事ってなに…？」
雨でもびしょ濡れでも、相変わらずAちゃんは元気だ。
ちなみに彼女が鞄に入れたと思い込んでた折りたたみ傘は、この間使って乾かしたまま、家に忘れて来たそう。
「っていうか、かるまくんはよく今日傘持ってたねー？未来予知？」
「違う。昨日、朝は降ってたけど帰りは降ってなかったでしょ。学校に置いて帰ってた」
「そういうことか。じゃあ昨日のお天気に感謝だー。…でも、忘れ物には気をつけなきゃだね？」
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nano*(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» 橋本アリィちゃん様。コメントありがとうございます。楽しんでいただけているみたいで、とっても嬉しいです！ゆったりとしたペースでの更新にはなってしまいますが、これからも楽しんでいただけるようがんばります！ (6月23日 10時) (
レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん - 初コメ失礼します！とても楽しく読ませて頂いています！続編を楽しみに待っています！(*´ω｀*) (6月16日 8時) (レス) @page47 id: b7ac2ae6be (このIDを非表示/違反報告)
nano*(プロフ) - たたさん» たた様、コメントありがとうございます。かっこよくて可愛い赤髪くんを目指しているので(？)褒めていただけてとっても嬉しいです。応援のお言葉もありがとうございます。これからも楽しんでいただけるように頑張りますね！ (2022年10月9日 1時) (レス) id: da0c6565c0 (このIDを非表示/違反報告)
たた - この夢小説のかるまくん可愛くてめっちゃ好き。これからも更新頑張ってください！応援しています。 (2022年10月8日 19時) (レス) @page9 id: 280d0d55b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nano* | 作成日時：2022年9月18日 17時
