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おめでとう gk ページ7

/gk(隣人)side



『お誕生日、おめでとうございます』

「え、」


片手にお酒と、小さな紙箱を持って、背の低いAさんには少し高さのあるフェンスから上半身を乗り出して、普段よりも少し低い声でAさんが笑って言った

Aさんは数ヶ月前に引越してきて、独特な雰囲気を持つ人だった
『今日からお隣に越してきたAです』なんて、今では珍しく挨拶に来てくれ、そこからなんとなく連絡先を交換し、偶にやり取りする仲に


『あれ、お誕生日今日じゃなかったです?』

「今日であってます!!ただ、覚えてもらってるとは思わなくて、」

『よかった、じゃあこれをキミにあげましょう』


オレの誕生日、覚えててくれたんだ
思わぬ幸せににやけていると、フェンス越しに手を伸ばして紙箱を渡してくれる
肌寒いのか、Aさんにはサイズの大きいカーディガンを羽織ってる


「えっ、いいんすか?!」

『いいんですよぉ、んふふ、美味しいから一緒食べましょ』


箱の中身はショートケーキ
シンプルだが細かくデコレーションされていて、Aさんらしいチョイスだ


「わ、すげぇ美味そう...!!いただきます!!!」

『はい、いただきます』


ぱちんっ、と手を合わせて言えば、向こうでAさんも一緒にやってくれる


『おいしっ』

「うまっ?!?めちゃくちゃうまいっすね?!」


夜中の1時過ぎ
普段ならカロリーを気にしてしまうが、Aさんがくれたということだけでそんなことは考えもしない


『誕生日、いい日になります?』

「めちゃくちゃいい日になります...!」


Aさんに祝われたらそりゃいい日になるだろうとツッコミたくもなるが、さすがにこれは黙っておく


「来年も祝ってほしいっすね」

『もちろん』


そう言ってまた小さく笑うAさんの声が優しくって、つい顔に熱が集まる
ああ、「好きだな」。なんて



『俺も好きですよ』

「えっ」

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作者名:404 | 作成日時:2023年9月18日 4時

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