おやすみ knmc ページ6
/knmc(恋人)side
「Aくん、」
『ごめんね、もう少しだけやってから寝るよ。刀也くん先寝てな』
かれこれ、このやり取りを3度繰り返した辺りで、根負けした僕は少しもやついたまま、誰もいない冷たいベットに潜り込んだ
あいつ、恋人を差し置いて作業に熱中しやがって
確かに僕は何かに熱中しているAくんが好きだが、それとこれとは訳が違う
あーあ、きっと僕が寝てしまった後に戻ってくるんだろう
ちょっとした腹いせに、普段なら端によってAくんが戻ってきた時に入りやすいようにしているベットも、堂々とど真ん中で大の字で寝る
いくら腹が立とうとも、睡魔には勝てない
少し疲れていたからこそ一緒に眠りたかったのだがしょうがない
気付けば僕は睡魔に流されていた
「ん...、」
『あ、起きちゃった?』
「Aくん?さぎょーは終わったんですか?」
ベットに腰掛けて、僕の手を柔らかく握るAくん
寝起き特有の呂律の回っていない喋りに、Aくんが小さく笑った
あ、好きだな。なんて
『終わったよ、1人にしちゃってごめんね』
そう言って、僕の頬を愛おしいに目を細めて撫でる
媚び、だなんて恋人の前では関係ない。まだ覚めきらない頭で、心地よい手の感覚に頬を擦り寄せる
『もう一度寝る?』
「うん、まだ眠い。Aくんも早く入ってきて」
『仰せのままに』
普段の癖か、結局寝ているうちに端によっていた
Aくんが入ってくると、一気に温かさが増した気がする
ひとつ僕の額にキスをして、頭を撫でてくれた後に手を繋いで一緒に眠る
僕はこの時間が大好きだった
『おやすみなさい、刀也くん』
「おやすみなさい、Aくん、」
うつらうつらと、瞼が閉じそうになるのを堪えながら返事をする
もう1つ、僕の好きな時間
耐えきれず瞼が閉じる寸前の、Aくんの僕を見る柔らかな目が大好きだ
しょうがないから、1度僕を放置したことは許してやることにする
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作者名:404 | 作成日時:2023年9月18日 4時