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『聞いて、ガクくん』
『浮気じゃない、俺が好きなのはガクくんだけで、あの子は偶然会っただけの大学の友達』

「...偶然会っただけの友達と、なんで恋人との約束破ってまで遊ぶんだよ、」

『買い物に付き合ってもらってたんだ』


そう言って、俺は今日買ったリングを片方取り出して、ガクくんの指にはめた
これが免罪符になる訳ではない。けど、どんな子よりもガクくんが好きだと伝える為には、1番これがいいと思った


「これって...リング?え、なんで、」

『久しぶりに会えるから、舞い上がっちゃって。色々見てるうちに時間過ぎちゃって、連絡出来なかったのはサプライズしたかったからで』
『ごめん、許してほしい訳じゃない。ただ、ガクくん、好きだよ、ガクくんだから好きなの』


リングをはめた方の手を強く握る。俺より大きくて、骨ばった細く綺麗な手指
俺はこの手が大好きだ


「ばか、不安、っ、だったんすよ...?オレ、もうダメかもって、」


そう言って俺の手に恋人繋ぎで握ってくれる動作が、とても愛おしかった


『ガクくんがいいの俺』
『不安にさせちゃって、約束守れなくてごめんね』

「次はないからな!」


また少し泣きそうになって、握っていない方の手で目を擦るガクくんに、先程渡したリングの片割れを渡す


『それ、ペアリングなんだよね。もし良ければ、ガクくんにつけて欲しいな、って』


そういえば、ガクくんは照れくさそうに笑ってから、ゆっくり手を解いて、そのまま俺の手にリングをはめてくれる
もちろん、その後は恋人繋ぎをし直して


「帰りましょうか」

『うん、帰ろう』


お揃いのリングをはめて、のんびりと手を繋いで歩く
もう泣く必要はなかった

おやすみ knmc→←(2)



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作者名:404 | 作成日時:2023年9月18日 4時

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