検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:1,788 hit

(2) ページ4

/Aside



『ガクくん!!』



今日は久しぶりにガクくんと会う予定だった
ちょっと遅い時間の集合だったから、せっかくだし何かプレゼントでも...なんて思って店に行けば、偶然同じ大学の子に会った
なんでもその子も、彼氏さんに贈り物を考えていたそうで
お互いアドバイスし合えると思って、惚気合いながら集合時間をちょっと過ぎた辺りでやっと決まった

ペアのリング
ちょっと照れくさい気もするが、過剰に伝えるくらいが俺たちにはちょうど良い
1番最初に入ったお店に置いていて、黒にゴールドのラインが波線のように引かれている、シンプルだが美しいデザイン
それがどうにも忘れられなくて、何件も回った最後にわざわざ買いに戻った。それのせいで少し遅れたと言っても過言じゃない


『ガクくん、喜んでくれるかな』


ぼそっと呟いた言葉が、幸福感に満ちているのに自分でも気付いていた
ガクくんに遅れることを連絡をし、彼女も最寄り駅が一緒だから同じ電車に乗る。そっちも彼氏さんと連絡をしていて、俺と買い物したことを早々に伝えているらしい
俺も伝えようともう一度トーク画面を開こうとしたが、話すうちにボロが出そうで辞めた



「なにしてんだよ、少し遅くなるって言って、堂々浮気か?」



間違った。直ぐに気づいた
この状況、きっと俺が見ても浮気を心配する。その上ガクくんは俺より不安になりやすいから、だから今まで細かく連絡していたのに

ガクくんが泣いてることは直ぐに気付いたが、頭の中にガクくんの少し震えた声が何度も何度も反芻して、何をすることも叶わないくらい焦っていた
「大丈夫なの?」なんて聞いてくる彼女の声も届かず、ガクくんが走り去った後少し感覚を空けやっと正気に戻った

彼女には捻り出したか細い声で謝って、返事も聞かないうちに走り出した



『ガクくん!!』


少ない体力も、散々歩き回って疲れきった足にも鞭打って、やっとの思いで追いついた。振り向いた瞬間のガクくんは先より泣いていて、擦ったのか目は少し赤くなり、普段綺麗に引かれている目元の紅も少し崩れている

愛おしい。なんて、元凶の俺が言っていいもんじゃないけど


『ガクくん、聞いて』

「なんすか、っ、もういいっすよ、やっぱりああいう、可愛い人の方が好きになるよな、」

『ガク!!!』


突然呼び捨てで叫んだ俺に、ガクくんは小さく肩を揺らした。驚かせちゃってごめんね


『聞いて、ガクくん』
『浮気じゃない、俺が好きなのはガクくんだけで』

(3)→←嫉妬(1) gk



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
12人がお気に入り
設定タグ:2j3j , knmc , fsm
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:404 | 作成日時:2023年9月18日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。