ポートマフィア幹部補佐は元探偵【文豪ストレイドッグス】

25話 ページ28

芥川said

首領の部屋を後にして歩いていると前から広津さんがやって来た。

広｢あ、明日香さん…先程、首領から連絡がありまして裏切り者の始末はもう少しあとに行うようです｣

『そーなの？わかった！』

広｢では、私は失礼します｣

広津さんはそれだけ伝えるとそのまま歩いて去っていった。

樋｢明日香ちゃん、作戦を考えません？｣

『うん！人食い虎の情報はどこまで集まってる？』

樋｢はい、隊室に纏めてあります｣

『それを元に考えよ！龍兄、行くよ！』

明日香は、僕の手を引いて歩き出した。隊室に着く間、僕は明日香と手を繋いでいて、明日香は樋口と楽しそうに話していた。隊室に着くと明日香はソファにダイブして、僕のクッションに顔を埋めていた。

『うー、このクッション…龍兄の匂いがする』

芥｢やめろ｣

『やぁ…落ち着くンだもん…龍兄ぃ…人食い虎の資料とってー…そして、葡萄酒がほしいー！』

芥｢ほら、資料…ぶどうジュースだ｣

僕は机の上にあった人食い虎の資料を明日香の顔の上に落として、冷蔵庫の中にあったぶどうジュースを渡した。

『ぃた…葡萄酒』

芥｢駄目だ…さっき飲んだだろ｣

『ぇー、我慢するもん！』

明日香は拗ねながら人食い虎の資料に目を通した。

『中島敦…孤児院の出で異能者か…昨日…太宰治に助けられ、探偵社に入社か』

樋｢どう致しますか？｣

明日香は少し考え込んだ後、何かを思い出したような顔をしていた。

『明日、朝から入社試験があるはず…一葉姉、依頼って事でお昼過ぎに探偵社に行って…そこからは…此処に誘き出して…その後、私と龍兄がそこに行く』

樋｢ですが、絶対に人食い虎が来るのですか？｣

『人食い虎…長い…人虎でいーや、良からぬ輩を見張って欲しいと言えば簡単だし人虎が任されるんじゃない？多分、1人位は着いてくるだろうけどね』

芥｢なら、その案で行こう…樋口、準備をしておけ、僕と明日香はその間に他の仕事をしておく…誘き出したら連絡を入れろ｣

樋｢分かりました｣

『彼奴が着いてきたら殺してもいいよね？』

芥｢待て、じわじわと追い詰めて殺った方が良いだろう？今まで味わった苦痛を倍にして教えてやるのだ｣

『うん！』

芥｢樋口、明日は忙しい…今日はもう帰れ…明日香、尾崎幹部の所まで僕が送っていく｣

樋｢はい、お先に失礼します｣

樋口は荷物を持って帰り僕と明日香は尾崎幹部の所へ行く準備をした。

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