ep.57 ページ10
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ザナークが積極的に試合に参加することで、チームザンの攻撃は一層強力なものになると思われた。しかし、ザンの選手は「こっちだ！」とボールを回すよう言うザナークを無視して、別の選手にパスを回した。戸惑うザナークとザンの選手がぶつかり、ザナークがその場にうずくまる。
「何だ？ あいつら……」
瀬戸が不思議そうに言った。
「仲間割れかな……」
「けど、ザナークはセカンドステージチルドレンなんだろ？」
「セカンドステージチルドレンって言っても、みんながフェーダに入ってるわけじゃないよ。ザナークはつい最近までムゲン牢獄ってところに閉じ込められてたし、チームに馴染めてなくても不思議じゃない」
話しているあいだに、ザンの選手がゴール前まで来ていた。彼は化身を発動すると、鋭くボールを蹴りこんだ。三国は弾き飛ばされ、ゴールネットが揺れる。
「ゴーール！ 怒涛の攻撃で三点目を加えたーーーー！！」
三点差――勝つには四点が必要。事態は絶望的だ。
雷門のボールで試合再開。ボールを受け取ったフェイが敵陣へ切り込んでいく。
しかし、フェイは突然足を止めた。苦しげに表情が歪み、自身の頭を抑えて俯く。――が、すぐに顔を上げた。その視線の先に目を向ければ、そこにはＳＡＲＵが立っていた。
何をしているんだろう、と思うと同時、フェイが身を翻した。右脚を大きく振りかぶり、足元にあったボールを思い切り蹴った。――チーム０１のゴールに向かって。
咄嗟のことに、誰も反応できなかった。放たれたシュートはチーム０１のゴールネットに突き刺さった。得点モニターが、０対４と更新される。
呆然とする私たちを置いて、前半終了のホイッスルが高らかと鳴らされた。
「ここで前半終了！ この試合、一体どうなってしまうのかーーー！？」
何が起こったのか、すぐには理解できなかった。――否、頭が理解するのを拒んでいた。
異様な空気の中、選手がベンチに戻ってくる。タオルやドリンクを手渡す瀬戸を手伝いながら、フェイを見やる。彼は一人、離れたところに立っていた。彼の元へ、心配するような――訝しむような目線が集まる。
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はるま(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます。とても励みになります！ bizyuさんもあたたかくしてお過ごしください( ¨̮ ) (12月19日 0時) (
レス) id: 99f9ea638a (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて時間も忘れるほどに何度も読み返しています！これからもお身体には気をつけて頑張って下さい！ (12月18日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるま | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2023年11月30日 22時
