ep.54 ラグナロク第一戦 ページ7
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雷門のボールで試合開始。剣城と錦は試合開始とともに、ミキシトランスを発動した。
「いくぜよ、ザナーク！」
錦が敵陣へ切り込んでいく。しかし、ザナークはすぐそばを通る錦に目もくれず、ただ突っ立っているだけだった。ザナークだけではない。他のザンの選手も同じように、雷門の攻撃を静観している。
相手がこんな様子だから、剣城はあっという間にゴール前へたどり着いた。振りかぶって、渾身のパワーをボールに叩き込む。
風を切ったそのシュートを、ザンのゴールキーパーはいとも簡単に
エルドラド側に、不穏な空気が漂う。剣城のシュートが入らないのに、他の誰のシュートが入るというのだろう。嫌な汗が背中を伝う。
相手キーパーが放ったボールは、フェイが空中で受け止めた。もう一度剣城にボールを回すと、今度は必殺シュートを繰り出した。
「菊一文字！！」
電光石火のごとくボールを蹴り込むと、まるで菊の花びらのように、火花が宙を舞った。パワーもスピードも驚異的なシュートだったが、相手キーパーは必殺技すら発動しなかった。大きな手の中で、ボールが勢いを失う。
「嘘だろ……！」
隣に座る瀬戸が、声を震わせて呟いた。
ザンの選手たちは、まだ動こうとしない。この間にボールを運ぼうと、剣城はチームメイトに向かって積極的に指示を出しているが、シュートが決まらない不安や、もともとあったエルドラドと雷門の溝が邪魔をして、うまく連携がとれていない。
ミキシトランスを解いた剣城は、化身アームドを発動した。剣城は、あらゆる手を使って、何が何でもゴールを奪おうとしている。キャプテンとして、そしてエースストライカーとして、使命を果たそうとしているのだろうが、見ている側に言わせれば焦りすぎだ。放ったシュートは、相手キーパーの化身必殺技によって、止められてしまった。
肩で息をする剣城のもとへ、相手キーパーはボールを投げて寄越した。挑発行為とも受け取れるが、剣城は敵陣に向かって走り出した。
そこへ、ザンの選手が動きを見せた。ひときわ身体の大きなディフェンダーが、剣城にチャージをしかける。
「ぐ、ぁ……ッ！」
後ずさった剣城のもとへ、ザンの選手が三人がかりでボールを奪いにきた――いいや、ボールを奪うのが目的じゃない。剣城の身体を痛めつけているのだ。
反則ギリギリのチャージが剣城を襲う。しまいには、フィールドに倒れてしまった。
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はるま(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます。とても励みになります！ bizyuさんもあたたかくしてお過ごしください( ¨̮ ) (12月19日 0時) (
レス) id: 99f9ea638a (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて時間も忘れるほどに何度も読み返しています！これからもお身体には気をつけて頑張って下さい！ (12月18日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるま | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2023年11月30日 22時
