ep.91 ページ44
「やったーーー！！」
「クロノストームが勝ったーーーー！！」
ルートエージェントのみんなも、観客席に負けないくらいの歓声を上げた。私はレイザと、その反対側に座っていたダーナの腕を掴んで持ち上げた。二人が驚いて目を丸くする。
「なんだ！」
「クロノストームが勝ったんだよ！」
「見てればわかる！」
「ねえ、レイザ！」
「わかった、わかった」
二人とも、こういうときぐらい、素直に喜べばいいのに。その後もダーナは何やらぶつぶつ文句を言っていたが、そんなものは知らない。今はただ、この喜びを共有したかった。
フィールドでは、激動の試合を終えた松風とＳＡＲＵが握手を交わしていた。
ＳＡＲＵは、口をもごもごさせながら、松風に言った。
「天馬、僕もその……君の友達に加えてくれないか」
「それは違うよ」
ＳＡＲＵの手をぎゅっと握りながら、松風は嬉しそうに答えた。
「友達は加えるものじゃない。こうやって、想いをぶつけ合ううちに、いつの間にかなるものなんだ」
「それが、友達なのか……」
「うん！ だから、俺たちは――」
松風が、ＳＡＲＵの手を握り直す。
「もう友達！」
ＳＡＲＵは笑顔で頷いた。
クロノストームの面々が、ベンチに戻ってくる。雷門の選手も、私たちルートエージェントも、客席に降りて彼らを迎えた。未来も、フェーダも、何もかもを救った彼らに、賞賛の拍手が送られる。
クロノストームと、雷門の選手たちが言葉を交わす中、松風がベンチのほうを振り返った。彼の視線を追うと、クロノストーンから戻った円堂大介と円堂守が何かを話していた。そして、円堂大介の身体が、光の粒となって、少しずつ空に消えていく。――元の時間の流れに戻るために。
円堂大介の姿が完全に消えてしまったとき、松風たちの時空を超える旅が、やっと終わったのだと感じた。
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はるま(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます。とても励みになります！ bizyuさんもあたたかくしてお過ごしください( ¨̮ ) (12月19日 0時) (
レス) id: 99f9ea638a (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて時間も忘れるほどに何度も読み返しています！これからもお身体には気をつけて頑張って下さい！ (12月18日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるま | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2023年11月30日 22時
