ep.89 ページ42
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最強イレブン波動は、ザ・ラグーンの守りをすべて突破し、相手キーパーの必殺技を打ち破った。
「まだだ！！」
ゴールラインまで戻ったＳＡＲＵが、シュートを跳ね返そうと右脚を振りかぶったが、シュートの勢いは衰えることなく、ザ・ラグーンのゴールネットを揺らした。
「入ったーーー！！ ついに同点だーーーー！！」
得点は４対４。
得点モニターを見て呆然としていたＳＡＲＵは、試合が再開されるや否や、無理やりクロノストームの陣へ切り込んだ。フェイのスライディングを、アクロバティックな動きでかわす。
「さすがだね、ＳＡＲＵ。確かに君はすごい。だけど――」
ギリスへのパスを神童がカットし、フェイにボールが回った。
「――だけど僕たちは、一人じゃない！」
クロノストームも、ザ・ラグーンも、体力は限界だった。試合時間も残りわずか。次に点を取ったチームの勝利になることは、私たちも、出場している選手のみんなも察しているだろう。
「みんな！ 全員攻撃をかけよう！」
松風の言葉に、クロノストームが頷く。恐らくこれが、最後の攻撃になる。ディフェンス陣を含めた全員攻撃をしかけるクロノストームに、ザ・ラグーンも総掛かりで止めに入る。
「所詮は最後の悪あがきだ！！」
「うおおぉーーーっ！！」
松風とＳＡＲＵが――大きなエネルギー同士がぶつかり、衝撃波が広がる。あまりの眩しさに、私は目を瞑った。
「邪魔をするなァ！！」
ＳＡＲＵが尖った声で叫んだ。二人の間にあったボールが弾かれ、空中に飛び上がる。
「みんな、頼む！」
「任せて！」
フェイがしっかりとボールを捕え、彼を起点にシュート体勢に入った。長い旅をして培ってきた絆の力が、シュートに込められる。
「――最強イレブン波動！！」
「止めろォ！！」
ＳＡＲＵが喉を枯らして叫んだが、シュートはザ・ラグーン全員でのディフェンスすら破り、ゴールを割った。
「決まったーーー！！ ついに逆点だーーーーーー！！！」
得点モニターが５対４を示す。その嬉しさに、レイザの肩を掴んで揺さぶったのもつかの間、クロノストームのミキシトランスが、次々に解除されていった。
「まだだ……っ、これくらい……！」
立ち上がろうとしたＳＡＲＵが、右足に体重を乗せた瞬間、その場に膝をついた。あれだけ酷使していたのだ。限界が来ていてもおかしくはない。
そんなＳＡＲＵのもとへ、ザ・ラグーンの選手が駆け寄る。
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はるま(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます。とても励みになります！ bizyuさんもあたたかくしてお過ごしください( ¨̮ ) (12月19日 0時) (
レス) id: 99f9ea638a (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて時間も忘れるほどに何度も読み返しています！これからもお身体には気をつけて頑張って下さい！ (12月18日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるま | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2023年11月30日 22時
