ep.88 ページ41
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ザ・ラグーンのボールで試合再開。鬼気迫るＳＡＲＵのドリブルに、松風が果敢にディフェンスに入る。
「僕たちは特別なんだ！！」
二人の実力は互角だった。ボールは弾かれて中に浮き、タッチラインを越える。
試合が再開されると、ザ・ラグーンは目にも留まらぬスピードでボールを回した。クロノストームのディフェンスは、ＳＡＲＵのノーマルシュートを前に歯が立たなかった。西園が必殺技でシュートを防いだが、彼もまたシュートの勢いに押し負けてしまう。
これ以上の失点は致命的だ――思わず目を細めたが、ゴールラインまで下がっていた剣城と松風が寸でのところでシュートを跳ね返し、事なきを得た。
しかし、西園のミキシマックスは間もなく解けようとしていた。他の選手も同様だ。
「みんな！ 最後の力を出し切って、ＳＡＲＵたちの力を受け止めよう！」
松風は力を振り絞って叫んだ。それをさらに鼓舞するように、円堂監督が「みんなーー！！」と呼びかける。
「サッカーにとって、いちばん大切なものってなんだ！ 思い出せ！ お前たちの大好きなサッカーを！！」
円堂の言葉を聞き、松風は少し考える素振りを見せた。そして、何かひらいめいたと言わんばかりに目を輝かせた。
「みんなで力を合わせて、困難を乗り越える……それがサッカーの楽しさなんだ！」
どんなにギリギリの状況でも、明るい表情を見せる松風とは対照的に、ＳＡＲＵは険しい表情で「甘い！」と吐き捨てた。
「甘いんだよ！！ それで止められるとでも……！」
怒りのままに松風に向かって走るＳＡＲＵを、松風は
「君たち一人ひとりが最強だと言うのなら、俺たちは十一人で最強になればいいんだ。最強のイレブンに！」
ＳＡＲＵは苛立ちをあらわにしていた。炎のような怒りの前では、普段の聡明さも発揮できまい。
「みんな、俺たち、今ならなれるんじゃないかな？」
松風の言葉に、クロノストーム全員が頷いた。彼らの身体から、輝くオーラが立ち上り――そして、ひとつの大きな光になった。
「この試合必ず勝つ。未来を守り、みんなを救うんだ！」
松風が雄叫びを上げながら、敵陣を駆け上がる。十一人の想いが集まったシュートは七色に光り輝き、閃光となって、ザ・ラグーンのゴールに向かっていった。
「――最強イレブン波動！！」
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はるま(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます。とても励みになります！ bizyuさんもあたたかくしてお過ごしください( ¨̮ ) (12月19日 0時) (
レス) id: 99f9ea638a (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて時間も忘れるほどに何度も読み返しています！これからもお身体には気をつけて頑張って下さい！ (12月18日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるま | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2023年11月30日 22時
