ep.85 ページ38
「惜しい！」
「でもボールはつながったよ。ザ・ラグーンに対抗できる！」
険しい表情だったルートエージェントたちも、クロノストームの奮闘に少しずつ活気を取り戻していた。
フィールドでは、クロノストームの選手がお互いに声をかけあい、士気を保っている。
「ナイスプレッシャー！」
「惜しいぞ！ 次はいける！」
霧野と菜花がスライディングでボールを奪い、クロノストームのカウンターが始まった。一斉にミキシトランスを発動した松風・神童・剣城・ザナークを中心に攻め上がる。
「俺たちのサッカーをやれば、必ず勝機が見えてくる！」
神童から松風へパスがつながる。だが、松風がベンチに目を向けた隙に、ボールを奪われてしまった。メイアとギリスが完璧なコンビネーションで攻め上がり、その二人をＳＡＲＵが追いかける。
「格の違いを――」
「見せてあげるよ！」
ＳＡＲＵにボールが回る。彼の顔に、普段の貼り付けたような笑みはなく、冷たい視線でクロノストームのゴールを見ていた。
「古い人類にしては、なかなかだったよ。だけど……ここまでだ」
ＳＡＲＵが化身アームドを発動し、シュート体勢に入る。これ以上点差が開くのはまずい。そう思ったとき、ベンチから円堂が叫んだ。
「今だ！ 必殺タクティクスにつなげ！！」
松風・剣城・神童が、ゴール前に滑り込んできた。三人がかりでＳＡＲＵのシュートを止めようとしたが、シュートの力に押し返されてしまった。
「頼む信助！」
「任せて！」
松風の言葉を受けて、西園は必殺技を発動した。高く飛び上がり、上からシュートを押さえつける。
「大国謳歌！！」
勢いを削がれたシュートは、西園を跳ね除けたものの、あらぬ方向へルートを逸らされた。ゴールポストに当たったボールを、松風が拾う。
「――通さん！！」
「そよかぜステップ！」
ボールを奪おうと向かってくるＳＡＲＵを、松風は巧みなボールさばきでかわした。
クロノストームが順にパスを回し、ボールにパワーを溜める。
「必殺タクティクス・グランドラスター！！」
上から見ると、まるで十一人全員で、フィールドに大きな稲妻を描いているようだった。
「魔神ペガサスアーク・アームド！！」
十一人分のパワーがこもったボールに、松風が右脚を叩き込む。びりびりと痺れるような威力をもったシュートが、相手キーパーの必殺技を破った。
得点は２対４。逆点まで、あと三点。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるま(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます。とても励みになります！ bizyuさんもあたたかくしてお過ごしください( ¨̮ ) (12月19日 0時) (
レス) id: 99f9ea638a (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて時間も忘れるほどに何度も読み返しています！これからもお身体には気をつけて頑張って下さい！ (12月18日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるま | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2023年11月30日 22時
