ep.83 ページ36
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クロノストームの力は、十分ザ・ラグーンに通用する。この調子で同点を目指そうと、松風たちが話しているときだった。
ザ・ラグーンの選手が、ベルトに何かを差し込んだ。
「何をしたんだ……？」
ガウラが身を乗り出すが、この距離では何があったのかは見えなかった。
しかし、私たちは彼らの行動の意味をすぐに思い知ることになった。
ザ・ラグーンのボールで試合再開。攻め上がる彼らは、さらにスピードを増していた。
「アンプルを使ったんだ！」
スタジアムがどよめく中、フェイが叫んだ。
「彼らは、アンプルに自分たちのオーラを保存していて、それを取り出すことで、能力を上げることができるんだ！」
「守りを固めろ！」
フェイの言葉を聞いて、神童が咄嗟に指示を出す。相手選手にぴったりと張りつき、相手の行く手を阻んだ。
そこへ走り込んできたのは、ザ・ラグーンのディフェンダーだった。ハーフウェイラインを越え、クロノストームの陣まで上がってきている。ボールはディフェンダーのもとへ回った。
「スプリングアロー！！」
ディフェンダーのシュートに、完全に不意を突かれてしまった。西園が化身アームドを発動したが、最後はゴールラインまで押し込められてしまった。
得点は一対三。ザ・ラグーンのさらなる力に、心が押しつぶされそうになる。
「――このままじゃおしまいになっちゃいます！！ 諦めないでください！ 天馬くん、みんな！」
「そうだ！ 負けるな信助！」
「神童、ここからだド！」
「気張っていけー！！」
スタジアムに雷門の選手の声が響き、松風の顔つきが変わった。まだ、諦めない――そんな表情だった。
「みんな、気合い入れていこう！」
「おおっ！」
クロノストームのボールで試合再開。神童の指示によって、ザナークへのパスルートが開けた――と思われた。ギリスが、自身のマークについていた雨宮と剣城を振り切り、ザナークへのパスをカットする。向かってきた松風をも弾き飛ばし、次々にパスを回した。
ドリブルで攻め上がるＳＡＲＵのもとへ、フェイが一対一で守備に入る。
「ＳＡＲＵ、僕たちは必ず勝つ。そして君たちを救ってみせる！」
フェイの言葉に、ＳＡＲＵは表情を不気味に歪ませて笑った。
「救う？ 何を言っているのかな。君たちの運命を握っているのは、僕らのほうだ」
ＳＡＲＵの身体が変形する。服が筋肉で盛り上がり、あどけなさが残る顔立ちは、獣のような形相に変わった。
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はるま(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます。とても励みになります！ bizyuさんもあたたかくしてお過ごしください( ¨̮ ) (12月19日 0時) (
レス) id: 99f9ea638a (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて時間も忘れるほどに何度も読み返しています！これからもお身体には気をつけて頑張って下さい！ (12月18日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるま | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2023年11月30日 22時
