ep.80 最終決戦 ページ33
．
ラグナロク最終決戦。
クロスワード・アルノ博士により、クロノストーンになっていた円堂守が元に戻った。よって、最終戦は円堂守が雷門――もとい、時空最強イレブン“クロノストーム”の監督を務めることになった。
「さあ、ラグナロクも一勝一敗一分けで迎えた最終戦！！ 文字通り、最後の試合だーー！！
ＳＡＲＵが率いるフェーダ最強チームザ・ラグーンと、エルドラドからはチーム名も一新！ その名もクロノストーム！！
果たして最終戦に勝利して、世界の実験を握るのはフェーダか！？ それともエルドラドかーー！？ 世界の運命は、この一戦にかかっているーーー！！」
私たちは、観覧席からスタジアムを見下ろしていた。歓声には、エルドラドを支持する熱と、これまでにない緊張感が漂っていた。この試合で全てが決まる。
ザ・ラグーンには、チームギルのギリスとメイアの姿があった。彼らにとっては、フェーダのチームで唯一負けたチームから来ている二人だ、リベンジの意味もあるだろう。
それぞれの選手がポジションにつき、そろそろ試合が始まろうかとしていた。
そのとき、ＳＡＲＵが何かを指示した。
いつの間に準備していたのか、フェーダの残りの選手が、フィールドを囲むように立っていた。彼らが両手をかざすと、スタジアム全体が揺れ始めた。
「何……！？」
「大変だーー！！ スタジアムがどんどん上にあがっていくぞーーー！！」
ラグナロクスタジアムは、セントエルダのどの建物よりも高く浮き上がっていた。
ＳＡＲＵがアンプルガンを空に向かって放つと、紫色の膜のようなものが広がった。スタジアムは膜の中に吸い込まれ、セントエルダの街は、完全に見えなくなってしまった。
「ここは……」
「ワームホールの中だ……！」
これで、スタジアムは時空から切り離された。戸惑う私たちを嘲笑うように、ＳＡＲＵが口を開く。
「残念だったね、おじさんたち」
彼のいうおじさんたちというのは、トウドウ議長やサカマキさんのことだ。
「おじさんたち、この試合で負けたら僕たちをガスで眠らせて、ワクチンを投与しようとしてたでしょ」
――そんなこと聞いていない。負けたときのために、最後の手段を用意していたとは。残念ながら議長たちは別部屋なため、問い詰めることはできなかった。
「だから最後は、誰にも邪魔されない場所でやることにしたよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるま(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます。とても励みになります！ bizyuさんもあたたかくしてお過ごしください( ¨̮ ) (12月19日 0時) (
レス) id: 99f9ea638a (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて時間も忘れるほどに何度も読み返しています！これからもお身体には気をつけて頑張って下さい！ (12月18日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるま | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2023年11月30日 22時
