ep.76 ページ29
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試合中に、特殊能力は使わない。そういう約束だ。しかし、彼らにしてみれば、こっそりテレパシーで連絡をとることなど容易いことだろう。
しばらくＳＡＲＵを見上げていたフェイが、ふとフィールドに向き直る。すると、彼は青い不気味なオーラをまとった。
その瞬間、チーム０３の選手が呻き声を上げてその場にうずくまった。
「うわああぁっ……！ 何だこれ……頭が……！！」
「頭が……割れちゃうよ！！」
「こ、これはどうしたことでしょう！ エルドラドチーム０３の選手が、次々と苦しみ始めましたーー！ 何が起こったのか！？ 試合はどうなるーーー！？」
みんなが混乱する中、ワンダバが席からぴょんと飛び降りた。腕をバタバタさせながら訴える。
「これは念動波だ！」
「何だよそれ！？」
瀬戸が焦った様子でワンダバの両肩を掴む。
「セカンドステージチルドレンの特殊能力のひとつ、相手の頭脳にプレッシャーを与える攻撃だ！」
「そんなの卑怯だろ！」
「ワンダバに言っても仕方ないぜよ！」
「ワンダバ」
大騒ぎしていた三人だったが、鬼道の声に大人しくなった。
「豪炎寺たちにもそのことを教えてやってくれ」
「了解した！」
ワンダバは観覧席を飛び出していき、私たちはその場に取り残された。
フィールドでは、フェイがゆっくりと松風に近づいている。
「やめてくれ、フェイ……こんなこと……！ こんなの、フェイがやりたいサッカーじゃない。そうだろ……！？」
念動波を出しているのはフェイらしく、松風はさらに苦しそうに叫び声を上げて地面に倒れた。こんなのは、サッカーではない。――拷問だ。
チーム０３が動けない中、フェイがドリブルで攻め上がる。その前に立ち塞がったのは、レイ・ルクだった。
「おおっ！？ レイ・ルク、たった一人で反撃だーー！」
私ははっとして身を乗り出した。レイ・ルクは、サカマキが研究チームに作らせたアンドロイドだ。念動波は、人間しか効果がない。
レイ・ルクはハイパーダイブモードに切り替え、次いで人工化身をアームドした。圧倒的なスピードでパスをカットすると、彼は一人きりで相手ゴールに向かった。しかし、彼が放ったシュートは、相手キーパーの化身に止められてしまった。
念動波がきかないレイ・ルクに、チームガルはわざとボールをぶつけた。レイ・ルクはディフェンスラインまで吹き飛ばされ、そのまま起き上がらなくなる。
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はるま(プロフ) - bizyuさん» コメントありがとうございます。とても励みになります！ bizyuさんもあたたかくしてお過ごしください( ¨̮ ) (12月19日 0時) (
レス) id: 99f9ea638a (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - とても面白くて時間も忘れるほどに何度も読み返しています！これからもお身体には気をつけて頑張って下さい！ (12月18日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるま | 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/april_hrm
作成日時：2023年11月30日 22時
