第302話 彼等の戦い ページ32
後に残してしまう選手の事も気掛かりだったが
どの道、彼等が向かう場所も同じだろう。
少女の姿になっているAの歩幅に鬼道が追い付いたのはすぐの事で
目の前を走る彼女は道端に落とされていた適当な旗を拾うと、それを持ったまま
ひたすら真っ直ぐに、ジャンヌ達が居るであろう下まで橋の上を駆け続けて行く。
「A、冷静になれ! 幾らお前でも単独で行動するのは危険だ!」
「しかし、急がなくてはジャンヌが命を落としてしまうかもしれない!」
訴えかける鬼道の声にも、返事はするものの殆ど聞く耳持たずのA。
ジャンヌが戦いに出たという事は、いつしか途中で彼女と別れて神童達の下へ
戻って行ったのであろう霧野は、その事実をA達より後に知らされる筈。
霧野は無事、黄名子達と合流を果たしてすぐにこの場へやって来るだろう。
ふと見上げると、城壁の上でイングランド軍と戦うジャンヌ等の姿を認められた。
「──行った所で、どうするつもりだ! 俺達では剣の戦いは無理だろう!」
「…………」
──確かに、鬼道が言っている通り
遥か未来の平穏な時代に生きる自分達では、実物の剣は扱えたものではない。
扱えたとしても、歴史に介入している側である彼女達が
その場で人を殺めてしまった際のリスクが大きすぎる。
だからこそ、彼等には彼等にしかない戦い方がある筈──思考を巡らせたAは
躊躇わずに力を使い、ボールを取り出して鬼道に投げ渡した。
「……サッカーボール……」
これで乗り切るしかないという事か。
言わんとする事を即座に察した鬼道は仕方無さげに小さく笑う。
二人はそのままジャンヌの下へと駆けつけようとした──
だが、本当に問題が起こったのはそこからだ。
「──A監督! 鬼道監督!!」
「ジャンヌーッ!!」
ジャンヌの危機を耳に入れたらしい松風達が、彼等に追いついたのである。
松風と霧野の声が聞こえて、随分と橋を渡った先で立ち止まった二人は振り返った。
……瞬間。松風達とA達の間を隔てるように、突如として人影が現れたのだ。
「「「!?」」」
見知らぬ、ただ明らかに危険な雰囲気を感じさせる人物だった。
目の前に人影が現れた事で咄嗟に足を止めた松風達。
Aと鬼道も、人影の後ろ姿を見て訝し気に眉を寄せる。
「っお前は……!?」
「誰だ!?」
フェイと松風が、その表情に焦りの色を濃く見せながら人影に問う。
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フェイル(プロフ) - ゆーふぉー(DS)さん» “後でちゃんと鬼道さんとの絡みも入れたので許してね☆”なコンタン丸見え!! ですね。 (2017年1月18日 23時) (
レス) id: c61a11e856 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉー(DS) - でもまあ、その後で鬼道さんとの絡みも見れたので個人的には満足ですが。御馳走様ですw……なお信長さま((にっこり (2017年1月16日 20時) (レス) id: 6434022909 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ゆーふぉー(DS)さん» お久しぶりです! 一ヶ月って本当早いですね……しみじみと言っている場合じゃありません! あ、信長さんの事ですか? あ、ああ……(やっちまった感) (2017年1月15日 22時) (レス) id: c61a11e856 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - 飛鳥さん» 初めまして! 返信が遅れてすみません、コメントありがとうございます! 無印編から読んでくださったのですね……! 本当に長連載ですよね、ここまで来て下さってとても嬉しいです! 更新頑張ります! (2017年1月15日 22時) (レス) id: c61a11e856 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉー(DS) - お久しぶりです。何時の間にか信長編が終わっていて驚愕してます。ジャンヌさんの行動、「スパイだったら疑って食べないよね」的な意味かと…。というか、信長さん！ちょっと！玲来さんとキスしていいのは鬼道さんだけなんだぞ！！ (2017年1月15日 20時) (レス) id: 6434022909 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2017年1月7日 0時
