第460話 脅威は繰り返す ページ10
機械越しのくぐもった声に、肩を強張らせた二人が視線の先を動かす。
すると同時に、何もない空間に一閃の光が走り、その合間から姿を現した人物。
「お前は…………!」
「レイ･ルク!」
よもや、ここで姿を現すとは。表情に緊張を走らせる松風とフェイ。
対するレイ･ルクは無言のままスフィアデバイスを取り出すと
ムーブモードを利用し、雷門イレブンを自分ごと、全く別の場所へと強制移動させる。
一行が次に瞬きをした時には、相手が用意したサッカーフィールドの上だ。
「……またここか!」
「プラン16に従い、行動を開始する。目的、雷門の殲滅」
「はんっ! この前のワシ等だと思ったら大間違いぜよ!」
「みんな、特訓の成果を見せるんだ!」
連れて来られたのは、パーフェクト･カスケイドとの初戦で大敗を喫した、あの場所。
眉を寄せて同じ光景を見渡すトーブを他所に、十一人の顔をそろえた相手チームは
決まりきった作業を淡々と熟すように、試合開始の準備を整えていた。
とは言え雷門イレブンも、もうそんな無機質な敵の雰囲気に呑まれはしない。
威勢よく言い返した錦の後、仲間達の方を振り返った松風が声を上げた。
確かに、敵はあまりに強い。だがそれでも、今度は絶対に勝つ。
敵が襲い掛かって来るのはいつも突然である事にも、疾うに慣れている。
「天馬。この試合、負けられないぞ!」
「はい! みんな、絶対勝ちましょう!」
もし、この試合においても彼等に負けてしまうような事があれば
再びアルノ博士が救出に来てくれるとも限らない。
否、助けがあろうがなかろうが、“仮”であっても、負ける未来など見る必要もない。
何が何でも勝つ気で行くのだ、斯く述べた神童に頷きを返す松風。
そして力強く言い切った彼の声が辺りに響き渡る時、仲間達の意志が静かに呼応する。
「君達が勝利する確率はやはり、限りなくゼロに近い。戦闘開始を要請する」
「潰せ、雷門を。徹底的にな!」
こちら側の敗北を告げるレイ･ルク、あのチームを率いる監督である姓名不詳の男。
勝利を確信した者達の言動、思い返すほどに前回の戦いと同じ状況だ。
各チームが己のポジションにつくと、否応無しに試合開始のホイッスルが鳴らされた。
時が来るまでただ黙していたAと鬼道は、マネージャー陣と共に
設置されていたベンチに腰掛け、試合展開を窺う。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2022年2月19日 9時) (
レス) id: e9f0e4b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの人 - 凄い久しぶりに見に来たけどやっぱ一気に見ちゃいますね！更新したかなー？ってぐらいでまた来ますね(●´▽`●) (2020年8月12日 21時) (レス) id: 7c87d58c6d (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - 彩夏さん» お久しぶりです〜! いつもコメントいただけて嬉しいです! ありがとうございます! (2020年7月10日 23時) (レス) id: 9770b7b01c (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - お久しぶりです！更新お疲れ様です！ (2020年7月10日 8時) (レス) id: e2a9603a24 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - かなりさん» またまたコメントありがとうございます〜! 大切に閲覧くださって本当に有難いです……。なかなか早く更新できなくて申し訳ありません;; 体調は大丈夫ですのでご心配なく! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 9770b7b01c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2019年9月14日 7時
