第484話 雲を掴む ページ34
*
一方その頃、マスタードラゴンは黒騎士の手により操りの呪いをかけられていた。呪われたマスタードラゴンは城を襲撃、アーサー王の娘であるメローラ姫を攫う。そこで異変を察知したアーサー王は一振りの古びた剣を手に、神聖な湖へと赴く――。
まだ話の途中ではあるが、雷門イレブンは大いに盛り上がった。入団テストに思いを馳せて闘志を漲らせる者、お姫様という存在に憧れる者。
図書室でこの本を見つけた時、確かに大人が読んでも面白い本だと言って春奈がすっかり読みふけっていたのも、A達の記憶に新しい。
しかし、これで大介の言いたい事は理解したが、問題はこの世界へ行く方法である。
「アーサー王が本当に存在したかどうかはわからない……そんな人物のアーティファクトなんて、あるのか?」
パラレルワールドの権威・アルノ博士によれば、例え架空の御伽噺だったとしても、歴史の流れを生み出せる“何か”があれば、その世界へ行けるかもしれないのだという。
ただ、そんな理屈が通るのだとしても、活路を見出せた訳では無いと剣城が言い切った時。
「あるやんね!」
「…………え!?」
三国も天城も輝も、剣城の疑問に同意する一方で、意外な人物が声を上げた。
こればかりはA達も手を焼いていた問題であっただけに、特徴のある訛りで語る彼女──菜花黄名子の許に、驚愕する松風と共に視線をやる。
「ウチの親戚に、凄い金持ちがいるやんね! 骨董品を集めるのが趣味で確か、アーサー王の王冠、持ってるって言ってたやんね!」
「「「ええっ!?」」」
「借りて来るから、ちょっと待っててー!」
ついには松風以外の仲間達まで衝撃を受けたのに、黄名子は一同を置いてきぼりにし、さっさとミーティングルームを出て、心当たりを求めに行ってしまった。
「お金持ちで骨董品集めが趣味……? そんな人、心当たりある?」
「いや、噂にも聞いた事が無いが……たまたま俺達が耳にしてこなかっただけで、それを菜花は偶然知っていたというだけだろう。今は信じて待つしかない」
「おいおい、一般人の傍らで別次元の話はやめてくれよ」
黄名子の背を見送り、誰もが首を捻る中で不意に口を開いたのは奈々。どこか的外れなお嬢様らしいその問いに、律儀に応える御曹司の神童。
彼の骨董品が人の目に触れて居たなら、疾うに自分達の耳にも情報が届いていても良い筈だという根拠を前提に言葉を交わす二人に、霧野はつい呆れて口を挟んでいた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2022年2月19日 9時) (
レス) id: e9f0e4b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの人 - 凄い久しぶりに見に来たけどやっぱ一気に見ちゃいますね！更新したかなー？ってぐらいでまた来ますね(●´▽`●) (2020年8月12日 21時) (レス) id: 7c87d58c6d (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - 彩夏さん» お久しぶりです〜! いつもコメントいただけて嬉しいです! ありがとうございます! (2020年7月10日 23時) (レス) id: 9770b7b01c (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - お久しぶりです！更新お疲れ様です！ (2020年7月10日 8時) (レス) id: e2a9603a24 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - かなりさん» またまたコメントありがとうございます〜! 大切に閲覧くださって本当に有難いです……。なかなか早く更新できなくて申し訳ありません;; 体調は大丈夫ですのでご心配なく! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 9770b7b01c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フェイル | 作成日時：2019年9月14日 7時
