第480話 キャプテンとは ページ30
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そして、ふと松風が頭上を見上げるので、フェイと奈々もつられて視線の先を追う。そこには雷門の象徴たる、巨大なイナズマのエンブレムが飾られている壁があった。
「キャプテンの役割って、なんだと思う?」
「……キャプテンの役割?」
また突然の疑問に、虚を突かれたフェイは同じ言葉を繰り返す。今度は、二人して松風に視線を向けていた奈々とフェイが、顔を見合わせていた。
それから、彼にどう答えるべきかと思考を巡らし始めた二人は、口を閉ざす。
――キャプテンと言えば、神童もその担い手だった時は苦悶していた事もあったのだが、サッカーに携わる彼の過去を知らなかった奈々にとっては、未だ当時の記憶は薄い。
フェイも、まだ雷門イレブンの協力を得られない状況下の時、大勢のデュプリを従えて戦った事はあったが、それがキャプテンとどう繋がるのかと問われると、答えに困り。
「改めて聞かれると、考えちゃうね」
「ピカッときたぞ!!」
「「「えっ!?」」」
さて、どう定義したものかな。言いながら苦笑いを零したフェイは小さく肩を竦めた。
しかしそこへ、いつから自分達の話を聞いていたのか、急にトーブが意気揚々と割り込んできたので、三人は揃って驚愕の声を上げ、彼に注目する。
三人の視線を浴びたトーブは両手を腰に当て、大きく胸を逸らしつつ堂々と断言した。
「威張れば良いんだ!」
「えぇっ……?」
「威張る……?」
なんだそりゃと言わんばかりに、フェイと松風の顔に毒気を抜かれたような色が浮く。声には出さなかったが、奈々も僅かに口角を引きつらせた笑みを浮かべていた。
確かに、それで構わないのならば、わかりやすいと言えばわかりやすいが――そんな微妙な雰囲気を纏っている三人を他所に、トーブは更に熱く語る。
「キャプテンはボスだろ? 威張って命令してれば良いんだぞ!」
「ええ〜っ??」
「それは違うと思うよ……」
「っふふ」
ああ、そういえばドリンクを貰いに来たのだったと、これを奈々から受け取った松風とフェイは、途中から会話に参戦したトーブを伴い、ピッチの中へと戻っていく。
その間も、尚もキャプテン観について議論を交わす少年達の後ろ姿が何故だかちょっとだけ和やかで、微笑ましく見えて、思わず自然な笑みが零れた。
松風が遠ざかって行った事で、奈々は再び、自身の熟すべきマネージャー業に戻る。
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2022年2月19日 9時) (
レス) id: e9f0e4b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの人 - 凄い久しぶりに見に来たけどやっぱ一気に見ちゃいますね！更新したかなー？ってぐらいでまた来ますね(●´▽`●) (2020年8月12日 21時) (レス) id: 7c87d58c6d (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - 彩夏さん» お久しぶりです〜! いつもコメントいただけて嬉しいです! ありがとうございます! (2020年7月10日 23時) (レス) id: 9770b7b01c (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - お久しぶりです！更新お疲れ様です！ (2020年7月10日 8時) (レス) id: e2a9603a24 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - かなりさん» またまたコメントありがとうございます〜! 大切に閲覧くださって本当に有難いです……。なかなか早く更新できなくて申し訳ありません;; 体調は大丈夫ですのでご心配なく! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 9770b7b01c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2019年9月14日 7時
