第474話 お前と僕の戦い ページ24
「トーブ、良いの? ビッグを置いて行って……守ってやるんじゃ、なかったの?」
「……お前の戦う姿を見て、わかったんだぞ。ビッグなら、一人でも大丈夫だ!」
ビッグには、ロックスターの跡を継ぎ、獣の谷のボスになるという大切な使命がある。
いつまでも誰かに頼っては居られまい――それは、フェイとビッグの間で見受けられた
あの出来事があったからこそトーブが感じた、重要な、生物の摂理であった。
斯く告げられたフェイは、自分事でありながらも、トーブの決意に未だ同意を示せない。
「それは、そうだけど……」
「それに、一人になった時こそわかるんだぜ! 本当に強いかどうかがさ!」
活き活きとしたトーブの言葉に、今度のフェイは肯定も否定もしなかった。
浮かない表情で俯く彼の心の奥底では、暗く、孤独な記憶が燻り始める。
「……でも、ビッグは親を亡くしたばかりなんだ……」
力無く零されたフェイの声に、息を呑んだ松風は、つい言葉を失う。
松風は、フェイが今もずっとひた隠しにしている過去の一部を知る者の一人だ。
どうしてもこの時代との別れが惜しいフェイの足先が、自ずとビッグの許へと向いた。
対面した二人のエメラルドとネオンブルーの視線が、そっと交錯する。
見つめ合った彼等の間では、やがて、どちらともなく笑顔が浮かび上がった。
そんな二人の姿を見つめながら、トーブは確信を得たように呟く。
「――けど、新しい友達ができた」
まだまだ幼い子供でも、人に比べれば何倍かは巨大な体躯を有しているビッグ。
フェイはその恐竜特有の固い肌を優しく撫ぜながら、語る。
この時代へやって来たばかりの時は、ただ恐ろしい存在としてしか
認識していなかった“恐竜”の一人であり、かけがえのない友となった彼と。
「よく頑張ったな、ビッグ。……これでお別れだ。お前なら、きっと獣の谷の
立派なボスになれるさ……! 僕は……お前の力を借りて、戦い抜くからな!」
フェイの語り掛けに対して、ビッグは時折、返事をするようにキュウキュウと鳴く。
雷門イレブンは、此処でミキシマックスのためのオーラを二つ探し出し、会得した。
その間のパーフェクト･カスケイドの襲撃も、苦し気ながらに退けることが出来た。
この時代における自分達の目的は、既に達成したのだ。――もう、行かなくては。
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2022年2月19日 9時) (
レス) id: e9f0e4b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの人 - 凄い久しぶりに見に来たけどやっぱ一気に見ちゃいますね！更新したかなー？ってぐらいでまた来ますね(●´▽`●) (2020年8月12日 21時) (レス) id: 7c87d58c6d (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - 彩夏さん» お久しぶりです〜! いつもコメントいただけて嬉しいです! ありがとうございます! (2020年7月10日 23時) (レス) id: 9770b7b01c (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - お久しぶりです！更新お疲れ様です！ (2020年7月10日 8時) (レス) id: e2a9603a24 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - かなりさん» またまたコメントありがとうございます〜! 大切に閲覧くださって本当に有難いです……。なかなか早く更新できなくて申し訳ありません;; 体調は大丈夫ですのでご心配なく! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 9770b7b01c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2019年9月14日 7時
