第453話 精密な猛攻 ページ3
明らかな挑発と威圧を受け、より気を引き締めた松風達。
そして、キックオフの音が荒野に鳴り響く。
敵チーム側からのボール、つまり手始めに攻撃に入るはパーフェクト･カスケイドだ。
この時点で、松風達は敵方に対し、歴然とした力の差を思い知らされようとしていた。
予測する間もなく繰り広げられる鋭いパス回し、ピッチ上を駆ける敵選手。
驚愕する選手達の中で、ベンチに控える狩屋だけがまともに声を放つ事ができた。
「なんっだよ!? あの速さは!」
此度の試合展開は、普通ならあり得ない事態だと、Aや鬼道ですら困惑に陥った。
圧倒的な実力差により裏付けられた自信、それだけでは説明がつかないチームワーク。
まるでこちらの動きを疾うに全て把握していて、それを基に、所定の位置に走り込み
パスを回せと、機械的に指示されていたかのような――精密さというものを感じた。
――ホイッスルの音が再び、この場に居合わせる者達の耳に飛び込んでくる。
「決まったぁー! 開始早々、パーフェクト･カスケイドが先制だ!!」
A達が息を呑んでいる間に、敵選手はゴール前まで切り込んでいた。
パーフェクト･カスケイドは十秒も待たずして、今試合における初得点を決めたのだ。
「なんて速さだ……!」
「この得点により、君達が勝利する確率は更に低下した」
一歩も動かないまま、失点を食らった。
あまりの衝撃に、霧野は不意に過った思考を口にすることしかできない。
対するレイ･ルクの発言が、雷門イレブンに更なる追い打ちをかける。
歯ぎしりした錦が何かを言い返そうとした――だが、視界に映る敵チームの面を認めて
喉元まで出かけていた言葉を呑み込み、不可解そうに代わりの声を放った。
「アイツ等、点取ったのに表情一つ変えんぜよ……!」
「あれが、パーフェクト･カスケイド……!
全てにおいてパーフェクトな、エルドラド最強のエージェント……!」
恐らく、敵の実力を身に染みて感じた後の神童でも
相手の動きに対応した指示を仲間に出すのは、間に合わないだろう。
一息吐く間もなくサッカーボールがセンターマークに設置され、試合再開。
今度は失点を受けた雷門側からのキックオフとなる。
しかし、ボールを持って上がろうとした剣城が、いとも簡単にこれを奪われてしまう。
また繰り返される、パーフェクト･カスケイドの猛進劇。
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moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。楽しみに待ってます。 (2022年2月19日 9時) (
レス) id: e9f0e4b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの人 - 凄い久しぶりに見に来たけどやっぱ一気に見ちゃいますね！更新したかなー？ってぐらいでまた来ますね(●´▽`●) (2020年8月12日 21時) (レス) id: 7c87d58c6d (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - 彩夏さん» お久しぶりです〜! いつもコメントいただけて嬉しいです! ありがとうございます! (2020年7月10日 23時) (レス) id: 9770b7b01c (このIDを非表示/違反報告)
彩夏(プロフ) - お久しぶりです！更新お疲れ様です！ (2020年7月10日 8時) (レス) id: e2a9603a24 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - かなりさん» またまたコメントありがとうございます〜! 大切に閲覧くださって本当に有難いです……。なかなか早く更新できなくて申し訳ありません;; 体調は大丈夫ですのでご心配なく! (2020年5月30日 22時) (レス) id: 9770b7b01c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フェイル | 作成日時：2019年9月14日 7時
