シャンクスとの思い出 ページ42
シャンクスの止血も終わって、無事にマキノちゃんの酒場に着いた。
店の前にはマキノちゃんがいて、ルフィを見るなり涙流してルフィをぎゅっと抱き締めていた。
シャンクスの仲間も酒場にいて、宴だ！とお酒を飲んで笑いあっている。
俺とシャンクスはその光景を少し離れた場所から見ていた。
『……無くなっちゃったねぇ。腕。』
「腕一本くらい、ルフィの命と比べたら安いもんさ。…Aも昔俺に同じこと言ってただろ。」
『…あぁ、言ったね。そう言えば。』
随分と昔のことだ。
俺がロジャーの船に乗って間もない頃だ。
その頃の俺はロジャーにずっと引っ付いてて、他の奴等と話すのが何となく怖かった。
優しい奴等ってことは分かっててもやっぱり何処かで疑ってて唯一信用できたロジャーの腕にしがみついてた。
そんな時だった。
シャンクスがバギーと一緒に俺に話し掛けてきたのは。
「お前がAか？俺はシャンクス！よろしくな。こっちがバギーだ。」
「お、おいシャンクス！！何勝手に自己紹介してんだよォ！！！」
『……………』
馴れ馴れしい奴。何が目的だ。甲高い声で叫ぶな。
「コックさんが飯だってよ。一緒に食おうぜ！」
『…いらない。』
「えー、なんだよもう取ってきちまったぞ。三人分。」
「俺も一緒なのかよ…！！」
『俺、食べなくても死なない。』
目線はあわせず表情も声音も変えない。なんとも無愛想な受け答えだ。
それでもシャンクスは「ここのコックさんの飯上手いんだぜ」と無理矢理俺に料理を押し付けた。
今日の夕食はカレー。ピリッと辛いスパイスの匂いとゴロゴロ少し大きめに切られた野菜がとても美味しそうなカレーだった。
俺は甲板の隅に座っていて、俺の隣にシャンクス、その隣にバギーが座って、いただきますと二人はカレーを食べ始めた。
『………』
その姿をじっと見つめて、一口スプーンでカレーをすくって、
ぱくっと食べた。
『……あ』
「どうだ？旨いだろ」
少し誇らしげな顔でそういうシャンクス。
『…シャンクスが、作ったわけじゃないだろ。』
「でも、旨いだろ。」
『……あぁ。食事なんて久しぶりだ。美味しい。』
「だろ！」
にいっと白い歯を見せて笑うシャンクス。
夜なのにその笑顔は物凄く眩しくて。
懐かしかった。
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←再開
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 645人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しらす - 面白かったです！！ (6月26日 18時) (
レス) @page42 id: b9c047ab39 (このIDを非表示/違反報告)
平野澪(プロフ) - 面白かった！！！！ (2022年5月27日 21時) (レス) @page42 id: 46f0f08380 (このIDを非表示/違反報告)
雑草(プロフ) - 亜栖枷さん» えぇぇ待ってすっごいかっこいいじゃないですか採用で。天叢雲剣ってもうかっこよい。是非とも使いますともこれからもよろしくお願いします。 (2019年5月12日 15時) (レス) id: bf029ef32e (このIDを非表示/違反報告)
雑草(プロフ) - マルさん» ありがとうございます！更新は遅いですがこれからも頑張ります！ (2019年5月12日 15時) (レス) id: bf029ef32e (このIDを非表示/違反報告)
雑草(プロフ) - モブZさん» そうですよね。感染力が強いので気をつけないと....弟が感染したこと以外は大丈夫です。これからも頑張ります！ (2019年5月12日 15時) (レス) id: bf029ef32e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雑食系 | 作成日時：2019年3月17日 22時
