可能性だらけ ページ42
· 『春じゃなくても』
· 作詞作曲 白雪〇〇
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重岡side
好きなら好きと言えますように
ズレてるなんて誰が決めるんだろう
すっきりしない頭で見る、決して快晴とは言えない真っ青な空を見る朝の6時
車で迎えに来てくれたマネージャーに一言挨拶を送ったあとサッとイヤホンをはめて自分の世界に閉じこもる。
そんな俺の頭に流れてくるのはいつだってこの曲
ぼーっと聞いてる間に〇〇の家の近くについて入ってくる。
「おはよー」
重「おう。」
「夏は朝でもムシムシすんな〜」
朝昼晩テンションの落差が全くない〇〇と朝はテンションが低い男達。
知り合って10年以上経つ俺達の扱いはお手のものの彼女は、朝は静かにスケジュールの確認や時間の無い夜に来ていた、たくさんの返信を返している。
でも、いつも聞いてるこの曲が、今日はなんだか染みて、
この車にマネージャーと俺と、〇〇。
重「⋯〇〇」
「んー?」
重「⋯」
ひとつ、話しかければ手を止めて目を見てくれる〇〇の行動が嬉しくて、
「どしたん?」
重「⋯〇〇ってさぁ、どうやって曲作ってるん」
「曲かー。誰かを思いながら書いたり、自分が思ってることとか伝えたいことを想像してるかな」
重「〇〇の歌、めっちゃ染みる」
「ふふ、知ってる」
重「今、春じゃなくても聞いてんねんけどさ」
〇〇の想いがめっちゃ伝わって、毎回泣きそうなんねん
こんな小っ恥ずかしいことよお言わんからさ。
せめて、2人の時は正直になれるようになりたいねん。
そんな思いを込めながら、目線を外しながら言うと
「ふは、」
いつもの調子で笑うから、何わろてんねん!って言おうと〇〇を見たら
綺麗な顔で笑うから。見惚れてしまうから。
「知ってる。」
自慢げな顔で見られても、いつもの減らず口は出てこなくて。
重「あそ、」
真っ赤な顔を隠すように、〇〇に顔を背けて少しでも落ち着かせたくて窓越しの車を必死に追いかけた。
明日のことはわからないけど
つまり未来は可能性だらけ
こういう時こそ、はよ邪魔してこいよ。メンバー。
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作者名:ぽん | 作成日時:2023年5月27日 14時