空中戦 ページ8
しっかりと息を吸い込み、ニャルはその鋭く光らせる瞳の中へと軍人クレアを閉じ込めている。怒りではなく、また違った別の感情を込めている。
「私は、仲間だった……のではありません。今でも魔王様の仲間です」
「何よ、薄ら寒いわね……私が打ち込んだ劇薬が、まるで効果がないみたいじゃない。失望したわ、ニャルトラホテプ……」
「違う、私の名はニャルラトホテプだ!」
「……ふ、感じる。貴様らの間で結束力が強くなっていくのがヒシヒシと私に伝わってくるぞ……」
眉間に小さくシワを寄せ、軍人クレアは不満げに呟くだけだった。イヴァンはこの状況に、一瞬だけだったが微笑みを浮かべている。中途半端な攻撃では一切通用しない、そう感じ理解した。
「この場でこれ以上の戦いは不要、撤退するぞクレア!」
明らかに不愉快そうな顔をする軍人クレアを無理矢理に呼び寄せ、イヴァンは時計塔のバルコニーから輝く巨大都市の空へ飛び込んでいった。
「……ここで、逃がしては、なら……」
彼らが去った数秒後にクレアが目を覚ました。全てのことがカタをつけられていないと察し、彼が飛んでいった空を睨む。追いかけるつもりだ。
「無茶だ、まだ傷は癒えきっていないかもしれない……」
「私は大丈夫……待ってて」
彼女は思いきり壁を蹴り、イヴァンを追って空へと飛んでいった。
追っ手など来ることは無いだろうと考えていた彼は、横からクレアが見えたとたんにとても激しく動揺していた。まさかここまで追ってくるとはこれっぽっちも思わない故に、彼らはクレアを振りきろうとすることに必死だった。軍人クレアが放つ銃弾すらも当たる気配がない。
だが、クレアの攻撃も当たる気配がない。剣二本を必死に振るが、空振りばかりだ。
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カレン - ありがとうございます、あんなクソ作品見ていただいてありがとうございます(二回目) (2018年9月29日 20時) (レス) id: 54cd55ba5b (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - カレンさん» カレンさんお久しぶりです。カレンさん良かったです(ごいりょく) (2018年9月26日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
カレン - おっと作家名のままだった、失礼 (2018年9月25日 18時) (レス) id: 54cd55ba5b (このIDを非表示/違反報告)
キリサメさん - カレンは圧倒的裏ボス的なイメージで考えたキャラなので、能力考えるのにかなり時間が... (2018年9月25日 18時) (レス) id: 54cd55ba5b (このIDを非表示/違反報告)
Olivie(オリヴィエ)(プロフ) - カレンさん» 良かった〜、間違ってたらどうしようかと思ってたんだ!ネーミングから参考にさせていただきますた。 (2018年9月24日 22時) (レス) id: 26b767d003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Olivie x他1人 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/olivie_with_Riv
作成日時:2018年9月23日 0時