拘束 ページ14
私は、今、何処であるのかすら分からない場所にて拘束されている。目の前には男二人、私が何か攻撃をしないように見張っている。
細やかな不運であったはずなのに、なぜこのような事態になったのかは、時を遡って説明する必要がある。
光のない地下水道の中を、怯えるレイを庇いながら全員で渡っていた。半泣きの状態で、やっとの思いで足を動かしている。それから半日が経ち、夕方頃には目的の出口へとたどり着いた。
そこは砂漠になりかけている、枯れた大地。幸いにも、目の届く位置に青々とした高い木の群が見える。そこはオアシスであった。
「……レイが眠ってしまうだなんて聞いてないぞ」
「恐らく、久方ぶりに体験する恐怖に体力を消耗したのだろう……休ませてやろう」
私の肩に重くのしかかるレイを、魔王が抱えたまま、私たちはオアシスへとたどり着いた。
「ホテルの部屋を取りたい、6人分の部屋を……」
「悪いね嬢ちゃん、そんなに人を止めれるほどの広い部屋も多くの部屋もないんだ。4人分の部屋で我慢してくれ」
ふくよかな大きい腹を叩きながらその親父は、笑顔で呑気に喋っていた。
この世界線での、最初のホテルがあの巨大都市の立派なホテルであっただけで、このホテルが貧相に見えてしまうんだ。寝具も、部屋の構想も何もかも。
ただ景色は劣らぬ美しさを誇っていた。砂漠の彼方へと暮れていく夕日がこれでもかというほどに眩く輝き、静かにその身を落としていった。
「……レイ、思ったより辛そうだな……しかもこの狭い部屋……」
狭くて貧相な部屋、レイのノックアウト、そして砂漠という楽ではない環境。
最初は本当に些細な文句だった。
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カレン - ありがとうございます、あんなクソ作品見ていただいてありがとうございます(二回目) (2018年9月29日 20時) (レス) id: 54cd55ba5b (このIDを非表示/違反報告)
デ・ロイテル(プロフ) - カレンさん» カレンさんお久しぶりです。カレンさん良かったです(ごいりょく) (2018年9月26日 0時) (レス) id: 707fc28c68 (このIDを非表示/違反報告)
カレン - おっと作家名のままだった、失礼 (2018年9月25日 18時) (レス) id: 54cd55ba5b (このIDを非表示/違反報告)
キリサメさん - カレンは圧倒的裏ボス的なイメージで考えたキャラなので、能力考えるのにかなり時間が... (2018年9月25日 18時) (レス) id: 54cd55ba5b (このIDを非表示/違反報告)
Olivie(オリヴィエ)(プロフ) - カレンさん» 良かった〜、間違ってたらどうしようかと思ってたんだ!ネーミングから参考にさせていただきますた。 (2018年9月24日 22時) (レス) id: 26b767d003 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Olivie x他1人 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/olivie_with_Riv
作成日時:2018年9月23日 0時