第一章 ページ2
メキシコでは十一月の一日と二日、“死者の日”と呼ばれる祝日がある。死者の花とされるマリーゴールドを飾り、広場には屋台が並び、楽団の奏でる音楽が流れて人々はお祭り気分に浮かれる。
この“死者の日”は悲しみにくれる日ではなく、年に一度、この世に帰ってくる先祖をお迎えして楽しく祝うものだ。
それぞれの家庭の祭壇には先祖の写真が並べられ、さまざまな食べ物や飲み物がそなえられる。
そして今年もサンタ・セシリアの街に“死者の日”がやってきた。
「オラ、ミゲリート!」
「オラ!」
買い物を済ませたばかりのAは赤いパーカーを着た一人の少年が軽やかなステップを踏みながら走ってくることに気づいて慌てて道をあけた。
彼の名はミゲル。ちょうどAの義理の弟と同じ歳で、近くに住んでいるため彼の家族のことはよく知っていた。
靴屋を営んでいるミゲルの家はこの街では珍しく音楽嫌いである。特に彼の祖母は通行人が楽器を演奏しながら家の前を通っただけで『音楽は駄目!』と怒鳴る始末だ。
流石に何故そこまで音楽を憎んでいるのかは知らないがAとミゲルには共通点があった。とはいっても、それは二人だけではなく街の人々にも共通していることだったが。
「あ、いた」
音楽嫌いの家族には内緒で来たのだろう。何気なく訪れたマリアッチ広場でちょうどミゲルを見つけたAはそっと近づく。
彼の目線の先には伝説の歌手であるエルネスト・デラクルスの銅像。
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舞(プロフ) - 更新頑張ってください!! (2020年2月22日 4時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - 娘であったお婆ちゃんが悲しそうにしていたのは少し切なかったですがそれでもひいお婆ちゃんは無事にお父さんとお母さんの側に行けたので良かったと思います。そして良い家族に囲まれて幸せだったと。 (2018年5月12日 10時) (レス) id: b9ee30de80 (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - 私も今回のディズニー映画は漫画が本音を言ってしまえば可愛くないのでそれでもディズニーは好きなので暇潰しとして見ようと思ったんです。そしたら凄い感動したので見て良かったなと今では思います。ただ残念な事に家族の一員であるひいお婆ちゃんが亡くなっちゃって (2018年5月12日 10時) (レス) id: b9ee30de80 (このIDを非表示/違反報告)
ミラージュ・アリーゼファー(プロフ) - ポチさん» 観終わったらまた観たくなる映画でした!ほのぼの系かと思いきやミステリー系で、予告と違っててはまりました! (2018年5月11日 21時) (レス) id: a7910e6428 (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - 初めまして。リメンバーミー9回も見たって本当ですか?凄いですね。私も一昨日見に行きました。生きていた頃のヘクターが格好良かっただけでなく、ストーリーも凄い良かったので感動しました。私ももう一回見たいなと思いました。 (2018年5月11日 20時) (レス) id: b9ee30de80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミラージュ・アリーゼファー | 作成日時:2018年4月8日 23時