38.暗くなりゆく ページ40
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「どうしたんだろな、私……」
今日もマネージャー業務(?)を終えた私は、重い足を引きずって、門を目指す。
1歩1歩は重いのに、足元はふわふわとして感覚が無い。本当に地面を踏んでいるのか、疑いたくなる。浮いてるような、沈んでいくような、自分がどこにいるかもわからないような、心細さと不安定さがのしかかる。
ここ数日、眠れてないせいかな。
眠れずに考えることはひとつ。
鳴宮くんと竹早くんだ。
久しぶりに会った2人は、確実に未来を見据えて歩き出していた。
何かを乗り越えた鳴宮くん。
私を忘れてた竹早くん。
それに比べて、私はどうだろう。
過去の、偶像のような出来事に心を囚われ、前に進めないままでいる。彼らのように忘れてしまえばいいのに、自ら足枷にして過去の思い出に浸ってばかり。今、目の前の現実にいる彼らを見ようともしていない。
それに、私を苦しめてる過去は、「たかが記憶」でしかない。この闇の中を浮き沈みするような感情も、脳内物質のやりとりによって生じただけ。そんなミクロの世界の事に振り回されて、私は、なんて馬鹿なんだろう。
だんだんと暗くなりゆく帰り道に、冷たい風が吹き付ける。
「愁くんに会いたいなぁ……」
ーーーー
愁くんは、唯一、中学3年間ずっと一緒のクラスだった人。
だから私達は、部活が違っても、いつも一緒にいた。彼は、無表情なことが多かったけれど。でも、私が何か頑張ったら褒めてくれた。辛いときは、何も言わなくても気づいて、そっと肩に手を添えてくれた。
愁くんが弓道に励む姿も、私は大好き。
彼が足踏みを始めると、彼自身以外への注目を許さないかのように、全感覚が引き寄せられる。彼以外の全て、周囲の空気でさえ止めてしまうようにも見える。そして、光が一閃するように、空気を切り裂くように、的を見る者ごと射止めるように、矢を放つ。
本当は、愁くんだけじゃない。鳴宮くんと竹早くん──ナミくんとセイくんも、大切な友達だった、はずなんだ。
けど、2人は、もう……
2人とは、中2からクラスが別れた。
私が寂しいって半泣きになって、3人で慰めてもらったっけ。それ以来、確かに会う回数は減ったけど、最初は一緒に遊んでた。本当の転機は、そこじゃない。全てが壊れた原因、は。
私が、部活でいじめられたこと、だ。
いじめの原因なんて誰も知らないし、知りたくもない。どうしてこうなったのか、きっと、誰も知りやしない。でも、あのときから──
私達の関係は、バラバラになり始めたんだ。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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おみくじ結果は「末凶」でした!
今日の弓道男子
如月七緒
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Mashiro Lio(プロフ) - そうなんですね!私はこの間友達に相談したら、「いっそのこと全員分書いちゃえ!」って言われました笑笑 (2019年4月13日 17時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
芋ケッピー(プロフ) - 誰を落ちにするかは、私も悩みに悩みましてアンケートにて決まりました笑 (2019年4月12日 23時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - ありがとうございます!実は誰落ちか未定&すごく長くなりそうな予感しかしないので少し不安(笑)なのですが、そう言っていただけるととても励みになります!ご期待に添えるよう精一杯頑張ります! (2019年4月7日 10時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
芋ケッピー(プロフ) - 続きが気になります!湊くん、静弥くん、愁くんとの関係性もまたまた気になります!更新楽しみにしています^_^ (2019年4月7日 8時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - メイリさん» ありがとうございます!こうやって小説上げるのは初めてなので至らない所もあるかとは思いますが、ちょっとずつ頑張っていこうと思います! (2019年4月2日 7時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mashiro Lio | 作者ホームページ:http
作成日時:2019年3月4日 22時