3.ついこっそり ページ4
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私は風舞高校について、何も知らない。それこそ校訓も校則も、校内での暗黙の了解も。唯一知ってるといえば、どんな部活があるかってのと、偏差値帯が「自称・進学校」レベルよりやや高めなことくらい。正直、5教科の入試は楽勝だった。
……という程度なので、何か聞けないかなと思ったのだ。
とはいえじっと見てると目立つから、友達を探すふりをする。背中ごしでも、2人の声はよく聞こえてきた。
「なーなーお、お前には関係ないだろ」
「関係あるよ〜、かっちゃんがはぐれたら誰がお家まで一緒に帰るのさ」
「……ああそうかよ黙ってろ」
「ていうか何より、かっちゃんが女の子に素直に謝るなんて! 今日の夜ご飯はお祝いだね!」
「だからうるせえ! つーか見てたのかよ」
「そうだよ! かっちゃん、さっきの子、名前は聞いた?」
「は? なんでだよ」
「え〜っ、そりゃ仲良くしたいし、かっちゃんにも仲良くしてほしいからじゃん!」
「俺はお前みたいなフワフワ頭してねえんだよ、女子と仲良くーとかどうでもいいし」
ああ、何というか……特に何か、必要な情報が得られる訳でもなさそうだ。
そう思って私はその場から静かに立ち去ろうとした
……のだが。
とんとん
「そこの君! 1年だよね、マネージャーなんてどう?」
「うぴぃっ!?」
肩を叩かれて振り返ると、ジャージを着た男子が、何やら紙を持って声を掛けてきた。おそらく先輩だろうが、どうやら私を勧誘したいっぽい。……だけど、肩を叩かれたこと、大きな声、その他諸々で、人見知りな私の心は限界寸前だった。うん、怖い。
これは、もう…………
逃げるが勝ちっ!!
私は、スーパーダッシュでその場から逃げ出した。
ーーーー
「はぁっ、はぁっ……ふぅ。疲れた……」
近くの建物の壁に手をついて息を整える。木の手触りが心地よい。
──って、あれ?
木製の壁なんて今時なかなか無い、よね。
少なくとも校舎や体育館の壁はこんなじゃなかった。
ここは、どこだ……?
草に覆われた地面。その真ん中、高さ1.5mくらいの所にネットらしきものが張られている。そして、手前には半屋内の建物。
もしかして、ここって──
「弓道場……?」
弓道部は風舞には無かったはずなんだけど、弓道場はあるのか……。なんか、もったいない。
「………、……………!」
あれ、話し声がする。
じゃあ、今年から弓道部が新設されたとかかな?
……などと思いながら声のする方へ向かった私は、夢にも思っていなかった。
そこに、見知った顔がある、なんて。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
今日の弓道男子
如月七緒
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Mashiro Lio(プロフ) - そうなんですね!私はこの間友達に相談したら、「いっそのこと全員分書いちゃえ!」って言われました笑笑 (2019年4月13日 17時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
芋ケッピー(プロフ) - 誰を落ちにするかは、私も悩みに悩みましてアンケートにて決まりました笑 (2019年4月12日 23時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - ありがとうございます!実は誰落ちか未定&すごく長くなりそうな予感しかしないので少し不安(笑)なのですが、そう言っていただけるととても励みになります!ご期待に添えるよう精一杯頑張ります! (2019年4月7日 10時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
芋ケッピー(プロフ) - 続きが気になります!湊くん、静弥くん、愁くんとの関係性もまたまた気になります!更新楽しみにしています^_^ (2019年4月7日 8時) (レス) id: 1297cf1d5a (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - メイリさん» ありがとうございます!こうやって小説上げるのは初めてなので至らない所もあるかとは思いますが、ちょっとずつ頑張っていこうと思います! (2019年4月2日 7時) (レス) id: 6bdf3daa52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mashiro Lio | 作者ホームページ:http
作成日時:2019年3月4日 22時