【ツルネ】ハバタケ 〜The Lost Memory〜

17.自己紹介？ ページ19

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結局、他に新しい入部者はなく、風舞高校弓道部は、8人プラス女子マネ1人でスタートした。



｢ねえ、皆！ 皆は今さらかもだけど、全員で自己紹介したい！」


唐突な私の提案に、真っ先に反応したのは如月くんだった。


｢Aちゃんナイス提案！
そういえばオレら改めて自己紹介してないし、やっちゃおう！」


ということで、自己紹介がスタートした。みんなで輪になって座って、じゃんけんで順番を決める。すると……


｢えっ、わ、私……!?」


山之内くんと鳴宮くんに負けて、私から順に時計回りとなった。


｢え、えっと、瀬戸名A、です。中学は卓球部でした。ピアノとそろばんやってたから、暗算はちょっと得意、かな」

｢あ、昨日のすごかったやつ！」


如月くんが、上手い具合に反応してくれる。


｢あと、空手やってる」

｢｢か、空手!?｣｣


梨可と私を除く、全員の声がハモった。


｢そうだね。Aも武道を志す点では、皆の同志だよ」

｢と、いうわけです」


梨可のフォローのおかげか、如月くんの相づちのおかげか、私もいつもよりは上手く話せてるみたい。何だか、言葉がすんなり出てくる。


｢えっと、好きな食べ物は、甘いもの全般とサラダ。あとは韓国料理系もけっこう好き」

｢あっ、プリンは苦手なので、遠慮しときます……」

｢勉強はあんまり好きじゃないけど、理科……特に生物と地学だったら得意かな。あと、家庭科は大好き！ だから差し入れとか、簡単な修繕だったら……お任せあれ、かな」

｢家はここから歩いて10分あれば着くから、差し入れ作っておいてランニング後に取りに行く、とかもできる」

｢小鳥とかウサギとか小動物が大好きで、カバンにいくつかマスコット付けてるの。ところで、ペット飼ってる人っている？」


竹早くんと小野木くんが手を上げた。


｢竹早くんのとこは何飼ってるの？」


｢犬で、名前はクマ｣

｢おおっ、うちも犬いる〜。てか、犬に『クマ』ってすごい名前ねぇ｣

｢ところが実は、湊によく懐いてるんだよね。飼い主としては複雑だなあ」

｢ふむむ。小野木くんは？」


顔を向けると、小野木くんは、ふいっとそっぽを向いてしまう。

……私、何かしたかなぁ。


｢ルーシー。白い猫で……」





｢……猫!?」


思わず私は、ぐっと身を乗り出した。｢お、おう……｣と目をぱちくりさせる小野木くん。


｢私ね、猫めっちゃ大好きなの！ でも家じゃ、弟がアレルギーで飼えなくってね。そこで!!｣

｢な、何だよ｣


｢そのルーシーちゃんに会わせて!!｣

18.ペット談義→←16.夕暮れの帰り道 (Side K)

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今日の弓道男子

如月七緒

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