6話 ページ7
「もうここまで話したら良いだろ?……ところで、裕也に聞きたいことがある。おまえは零と面識がある。さらに言うと、零が今、どこで何をしているか知っている。」
裕也は、いつものいかにも"仕事やっています"オーラを出している表情に戻ると、答えを返した。
「知らない」
「それ、嘘だろ。まずおれが零の容姿の話をしたとき目が動いた。あれは動揺している、または驚いている証拠。その他にも顔が強ばっていたし、目が泳いだことも何回かあった。全部、動揺している証拠。何かを隠しているときに現れる証拠だ。」
裕也は苦笑いをして、頬を掻いた。
「……おまえの観察力は相変わらず凄いな。和希の言う通りだ。俺は降谷零という人を知っている。だがな、どこで何をしているか、俺の口から言うことはできない。それを知りたければ、自分で会って聞き出してやるんだな」
裕也はどうだ、引いてくれるか、また質問は続くのか?と心配そうな顔をしているが……
「そうか、なら良い。裕也の言う通り、あとは自分でやる。」
裕也は「ハ?」という声を漏らすと、ポカンとしたままつっ立ってしまった。
なんだよ、そんなに俺が早く引いたことがめずらしかったのか?
まあそれより。俺は未だにポカンとしている裕也の腕を引っ張った。
「さあ!なんか生々しくて暗い話は終わりだ。酒飲むぞ、酒ぇ!」
俺はそのまま引っ張って走り出す。
ハッと我に帰った裕也が、「まて!」と声を上げる。
___夜の町、多くの飲食店が立ち並ぶ通りに二人の男のはしゃぐ声が聞こえた。
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作者名:神風 | 作成日時:2018年5月22日 18時