5話 ページ6
……これは、ビンゴだ。
「頭は良いな。これはもう確実。
……観察力も良かったよな、あと洞察力も。
あー、体術はどうだったっけ？
あいつボクシングやってたし、結構良かったよな。
あとあいつ演技上手すぎ。
もはや俳優顔負けレベル。
おまけに顔もめちゃくちゃ良いし。
あと女にすげーモテてたよな」
俺が追い討ちをかけるようにあいつの特徴をペラペラ喋れば、裕也は凄い人なんだなと冷や汗混じりに言った。
俺はもう疑いが、確信に変わっていた。
裕也はそいつ___零となんらかの繋がりがあり、零の居場所を知っているのだ。
「最後にそいつの名前は、降谷零だ。」
「っ………」
裕也は目を泳がせている。恐らく、言い訳を考えているのか。
「公安に寄るようになったのは、降谷の情報を集めるため。ああ、勿論公安の奴らと仲良くなりたかったというのは嘘ではない。俺のちょっとした知り合いが公安は面白い奴らだと言っていたからな。
話を戻す。俺にはあいつが警察をやめたという考えはまず頭になかった。なにせあいつは警察学校を首席で卒業、それに加えこの上なくこの国を愛していた。そんなやつがホイホイ警察をやめると思うか？
俺は思えなかった。
だが、警視庁内のパソコンをどれだけ探ってもどこにも降谷零、あいつの名前は無かった」
「そこでまず俺は考えた、ああ、零が働いているのは警視庁じゃない。警察庁なんだ、とな。」
裕也は、俺の顔を見ると心底呆れたような顔をした。
「おまえ、それだけのために警視庁中のパソコンデータを探ったのか？！馬鹿だろ！一体何年かかると思っていたんだ……。」
「馬鹿とでもなんとでも言っておけよ。とにかく、それを思い立った俺は警察庁のことをまず調べた。ここにも零の名前はなし、ここにも………。そうしているうちに、俺はいつかの記憶を思い出した。」
裕也は、黙って話を聞き続ける。
「ゼロ…………存在しない組織であれ、そういう理由からつけられた名前の警察組織をな。」
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作者名：神風 | 作成日時：2018年5月22日 18時
