【名探偵コナン】最後の友人へ (ページ20)

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19話ページ20

スマホを受け取ると着信履歴があることに気がついた。

急ぎの連絡かもしれないとすぐさまチェックすると、画面には「風見」の文字があった。

風見から連絡？なんだ？
折り返そうかと通話しようとしたとき、安室さんが徐に車のキーをちらつかせた。

「伊藤さんって、社会人ですよね？」

唐突なその質問になんなんだと思いながらも「そうですよ」と返すと、安室さんは「じゃあ、お仕事もなされているんじゃないですか？」と言った。

「えぇ、していますよ。」

「和希さんは昨夜飲み歩かれていたので、夜間の仕事ではないでしょう？昨日は休日って線もありますが、休日ならばスーツを着たりしていないでしょうし。昼間の仕事。今日は平日。となると休日でない限りお仕事があるのでは。もしお仕事があるのらば、今から僕も出かけるので仕事場まで送って行きましょうか？」

「ああ、俺今日仕事ないんですよ。だから大丈夫ですよ。お気持ちだけで充分です」

安室さんはほんの僅か面を食らったようだったが
、すぐに俺に微笑みを向けた。

「そうなんですね。ああ、でもそれならお宅までお送りしますよ」

「それは悪いです。」

丁重に断ると、安室さんは名残惜しそうな顔をしながらも、そうですかと笑った。

安室さんは車に乗り込み道路に出てきた。道路の前で「ありがとうございました」と言うと、安室さんは何も言わずに微笑んだ。

「それでは！」

「また会う機会があったら今度は俺がご馳走しますね」

車に乗り、走り去っていく安室さんを見て俺は１つ思った。

ああ、そういえば。どうして安室さんは銃口を向けられたのに全く驚かなかったんだろう。

安室さんは、俺が警察官であることを知らないのに、銃を持った人間を前にしてどうしてあんなに平然な態度を取れるのだろう。