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073:策略家 CM ページ24

Aには打ち合わせだと言って

僕は 久しぶりに元宿舎へ来ている。

マネージャーが住むこの場所に

ユノヒョンと、あのCAと、3人で。

彼女が姿を現した時

僕は堪え切れず

女性と分かっていながら

彼女の胸ぐらを掴みかかりそうになった。

彼女は悲しみに満ちた目で

僕をじっと見上げていた。





僕を制したユノヒョンが

彼女を僕から遠ざけて座らせた。

彼女の謝罪の言葉は

受け取らなかった。





「彼女は、ミナさん。俺たちがよく知るCAだ」
「どうでもいいです」





アメリカに行ったあの日

Aに優しくブランケットを掛けてくれた美しい指先が

今、僕の前小刻みに震えている。





「彼女を俺のマネージャーにした」
「本気ですか?もしそうなら、僕はヒョンをこれ以上信じられない」
「お前がどう思おうと、俺の考えは変わらない」
「そうですか。勝手にしてください。僕は帰ります」
「チャンミン、電話でも言った通り、彼女じゃない」





「いえ、ユノさん…私です」





自ら罰を受け入れようとでも言うのか

ユノヒョンの言葉を遮るように

彼女はあの日の出来事を話し出した。





「あの日…Aさんを連れ出したのは私です。理由は…彼女が…憎かったから…」





また

やり場のない怒りが

苛立ちを纏いながら全身を駆け巡る。





「だから、あの階段室で…」
「Aを突き落とした」
「…」
「何のために?」
「だから…」
「誰のために?」
「それは」
「キミと俺、どっちが勝つかな」
「え…」
「チャンミンはどっちに賭ける?」





ユノヒョンの目は

笑っていない。

ヒョンのこの目を見たのは

何年ぶりだろうか。

僕の神経を逆撫ですると分かりながら

ユノヒョンが取っている今の行動は

多分、ヒョンにしか暴けない

真実が隠されているからだろう。





「ミナさん、キミはあの場にいた」
「だからそう言ってるじゃないですか」
「あの場にAを連れてくるように頼まれたからだ」
「言っている意味が分かりません」
「キミはそのうち本当の事を話してくれるよ」
「私はすでに本当の事をすべて話してます」
「耐えられなくなるから」
「…罪を償う形があなたのマネージャーになるという事なら気がすむまで…」

「守りたいものが、目の前で崩れていく事にきっと耐えられなくなる」





まだ、

僕にはヒョンの策略が分からない。

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作成日時:2017年11月6日 23時

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