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068:Re:vive ページ19

「…あれ……」





目覚めたら

見たこともない部屋にいた。

頭がジンジンと痛い。

ずいぶん長い間眠っていたみたいな

変な気分。





「あ…そっか…福岡だった」





隣に チャンミンがいない。

でもどうしてまだ夜なんだろう。

薄いレースのカーテンを開けると

途端に違和感が襲ってきた。





「え…福岡じゃない…」





混乱した。

今日はお母さんに会って

夜はチャンミンと食事した。

そこになぜか蒼くんがいて…






咄嗟にスマホに手を伸ばす。

待ち受けに表示されている日付けを見て

思わずスマホを落とした。





「A、起きていましたか」
「…」
「やっぱり時差ぼけですね、僕たち」
「…」
「せっかく東京デート楽しもうと思ったのに、一日無駄にしちゃいましたね」
「とう…きょう…?」
「どうした?もしかして、寝ぼけてる?」





チャンミンが心配そうに私をじっと見ている。

おかしい…

何か、おかしい。





「チャンミン、前髪そんなに長かった…?」
「え?」





何言ってんの…大丈夫ですかって

チャンミンが笑う。





「夢…?」
「A、本当に大丈夫?」
「私、どうして東京にいるの…」
「A…?」
「どうして、福岡じゃないの?」




チャンミンは目を見開いて

何も答えてくれない。





「チャンミン?」




ハッと我に返るように

チャンミンは天井を仰いだ。

そして、ゆっくり口を開いた。





「A、今日…福岡で何をしましたか?」
「え?」
「僕たち、今日は何をしましたか?」
「ちょっとやめてよ、からかってるの?」
「ううん、答えて」
「今日はお母さんと会って、夜は一緒に食事したじゃない。それに、チャンミンが蒼くんに…」
「A………!」
「えっ…」





チャンミンはぼろぼろ涙を流しながら

私を強く抱きしめた。

その瞬間、やっぱりこれは夢だと思ったのに

まだ少し涙声のチャンミンが






「記憶が…戻ったんだね」





そう呟いた時、

私の混乱はピークに達した。

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作成日時:2017年11月6日 23時

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