058:違和感 YN ページ9
『ヒョンが欲しがってたセーターあげますよ。それと、東京土産何がいいですか?』
「東京バナナ!」
「うわ!びっくりした…もお何よいきなり大声出して…」
「ん?でも何で東京?」
「ユノ、全部独り言なの?私スルーしていいやつ?」
「…確かアメリカだよな?」
変な違和感。
起き抜けの俺には到底理解できないチャンミンからのLINE
…とりあえず東京バナナで。
そう返信して、また布団に潜る。
「なぁ遥、アメリカにも東京バナナ売ってるのかな?」
「売ってるわけないでしょ」
「でも、チャンミンが東京土産何がいい?って…」
「寝ぼけてるの、ユノ疲れ過ぎよ」
もしかして、夢?
まぁ、それならそれでいいけど。
「でも何で東京?」
気になってチャンミンに電話を架けたけど繋がらない。
違和感がどんどんどんどん膨らんで
俺は居ても立っても居られなくなった。
「…オッパ!」
「ソユン、チャンミンは?」
「それが、オンニのお父さんが倒れたらしく、アメリカから今福岡に向かってるはずです!」
「福岡に…」
「オッパにも連絡しようと思ったんですけど、遥オンニとゆっくりしてるかなぁって…」
「東京バナナ売ってるかな?」
「は?」
違和感
違和感
違和感
「遥、福岡行こう」
「え?何の話?」
「チャンミンたちは東京にいる」
「ユノ、ちょっとさすがに意味が…」
こういう時
本能に従うのが一番いいんだ。
今までも何度かそういう事があった。
チャンミンが俺に何を望んでいるのか分からないけど、
これは弟からのSOSだ。
渋る遥を連れて
俺たちはあっという間に空港に着いた。
いつも泊まるホテルに予約を入れようとしたら
すでに入ってた。
「うん、今のところ正解だな」
東京バナナ
違和感
達成感
「さっきから気になってたんだけど、どうしてチャンミンの服着てるの?」
「貰ったの」
「しかも、なんか今日の変装チャンミンぽい」
「そんな気分だから」
あの日Aが消えた空港。
俺にとっては久々の福岡。
とりあえず 予約したホテルにチェックインして
二人で美味しい料理を食べて
あれだけ、渋ってた遥も笑顔で
俺も大満足。
「ああ、美味しかった」
「遥、先にホテル戻っていいよ?」
「俺もすぐ行く」
遥を見送って、
俺は、先回りしてホテルへ向かうために
タクシーを捕まえた。
059:泣きそうになる (haruka)→←057:違和感 CM
489人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2017年11月6日 23時