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009:まさか CM ページ10

『チャンミン、リプしたの?』
「…はい」
『そう…』
「別に…深い意味は」
『深い意味籠ってるように見えたけど』
「…」
『彼女がもっとインスタをあげてくれたらいいんだけど』
「そうだね…どこの場所なのか…部屋の中だけじゃまったく」
『でも、もし彼女がアナタのアカウントを見たら』
「…見てくれたらいいけど」





表向きはSNSしてない事になってる。

僕は数年前からインスタだけアカウントを持っていて

仕事で海外に行くたびに時々写真を載せる程度だったけど

Aとよりを戻してから

Aの後姿とか 庭から見える海とか

ジョセフとか。

普段の小さな幸せすら記憶しておきたくて

頻繁に写真を載せるようになった。

もしかしたらリプをきっかけにAがフォローしてくれるかもしれない…

少しの望みを胸に 鍵を外したら

フォローしてる同業の友人たちからすぐさまクレームが入った。

そりゃそうだ。

ほとんどみんな裏アカで繋がってるからだ。

少しの綻びでさえ命取りになる世界。

後ろ髪を引かれる思いで

再び鍵を架ける。

結局 リプは来なかった。





やっぱりAは

自ら僕の傍を離れる事を決意したのだろうか。





どう考えても

あの日の状況じゃ彼女がそういう風に考えていたとは思えないけど

人間誰でも魔が差す事ぐらいあるのだ。

僕に対してほんの少し不満があったのか

もしかしたら 蒼くんに未練があったのか。





ただ 何もかもから逃げ出したくなったのか。





『チャンミン、元気だしてよ』
「元気です」
『いつか絶対戻ってくるから』
「でもね、ヌナ。考えれば考えるほど…Aは自ら僕の元を去ったと思えるんだ」
『…記憶喪失』
「え?」
『2時間もののサスペンスならそういうオチなんだろうけど』
「まさか」
『可能性として0ではないでしょ』
「ありえないよ」





ヌナとの電話を切って

インスタを開いた。

ちょうど1分前

タイムラインには

Aのものと思われるアカウント





ー素敵なカフェ見つけた♪





記憶喪失

さっきのヌナの言葉が頭の中を回ってる。

彼女があげた写真の中

見覚えのあるカフェの看板。





『チャンミン!見た?』
「うん…見た」





そこはソウルで一つしかない

常連しか来ないような 小さなカフェ。

雑誌で見つけたAが

ずっと行きたいと言ってた場所だった。

010:ドーン!!! JN→←008:Re:



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作成日時:2017年5月20日 0時

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