006:助っ人 CM ページ7
遥ヌナはあれから あのインスタのアカウントをフォローして
何か手がかりに繋がるものはないか隈なく探して
そして 結局何も収穫がないまま数日が過ぎた。
僕の耳の中
エンドレスに流れ続ける All of me.
確かに光が差したと思ったのに
どうしても 何か拭えないモヤモヤとともに
今日も僕は 空っぽのまま。
「ジョセフ…今日からお手伝いさん来るよ…」
どこにも行きたくないし
誰にも会いたくない
だけど 仕事だけは
そんな僕を決して許してくれない。
「とてもいい人だからキミも気に入るよ」
少し前
久しぶりにキュヒョンと飲んだ。
ソユンに会うのは
あの別れの夜以来。
相変わらず控えめで いい子で
酔っ払ったキュヒョンがペラペラと僕の事を話すから
私にできること、ないですか、オッパ。
純粋な瞳は
心底僕を同情していた。
遥ヌナは心配して
だったらジョセフはうちで預かるわよと言ったけど
僕はこれ以上大事なものを失いたくなくて
…独りになりたくなくて
仕事で長時間家を空ける時だけ
ソユンに手伝いに来てもらう事にした。
あまりいい顔をしなかったヌナも
長期で家を空ける時は
ヌナが預かるという事を条件に許してくれた。
曇り空が広がる午後
ソユンは遠慮がちに
リビングのソファーの隅っこに座って
緊張してるのか
さっきからキョロキョロ部屋中を見回している。
「ジョセフの行動範囲はこのリビングと、隣の彼の部屋…天気がいい日はテラスや庭で遊ばせてやって?」
「…はあ」
「ソユン?ちゃんと聞いてますか」
「オッパ…ここは本当に家なのですか」
「何言ってんの」
「Aさん…でしたよね」
「…うん」
「Aさんは絶対何か事情があって…だってもし私なら…こんなに愛されてるのにオッパを捨てるなんて考えないと…」
「やっぱ僕捨てられたのかな」
「はっ!違います違います!!」
「…ぷはは…ありがとね、ソユン」
「いえ!あの…ジョセフくんの事は私に任せてください!」
「うん、ありがとう」
ジョセフは彼女を気に入ったらしい。
ソユンの膝の上
気持ちよさそうにウトウトしている。
「2階の寝室には…何があっても絶対に入らないで」
「もちろんです!」
そこは
Aで満たされた 大切な場所だから。
僕だけの 大切な場所だから。
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作成日時:2017年5月20日 0時