思春期事情 ページ34
「でもよ、綾人は真昼君とそういうのしたいって思ったことねーのか?
高一だったらそういうの思うの普通なんだけどな」
「俺はしたいです!」
「お前のことは聞いてねえよ宓」
「うーん…あるっちゃあるね」
「A様!?」
「いや、なにその驚いた顔は。
私だって普通の高校生だよ?思春期だよ?」
「「じゃさっさと襲ってしまえばいいのに」」
そこ、兄弟でハモるんじゃない。
「いや、でもさ?
高校生でするのとか早くね?せめて大学生」
「何言ってんだよ中学生でした奴が」
「それは忘れろ」
あれは私の了承を得ないうちにしたんだ。
カウントするな。
「A様初めてじゃないんですか!?」
「そうだね。無理やりやられた」
「抵抗してしまえばよかったのに!」
「薬飲まされてたんだよ?無理だよ。
体から力抜けてほやあっとして。
おまけに感じやすいときた。無理だろ」
無理。
泣いたもん。初めて奪われたし。
会って二週間の奴に。
「あれ、そういえば衣玖乃ちゃんの過去聞いてないや。
どんな感じだったの?」
「…聞くんですか?」
「うん」
当たり前じゃないか。
人の過去ほど感情移入できて面白いことはない。
まるで、面白い小説を読み聞かせられている気分になるからね。
「では、話しますね。
私は生まれた時、すぐに母が死にました。
それから父が育ててくれたのですが…。
父はいつも私の体を触ってきました。
無理やりやらされたこともありました。
何回でしょうか…私は特に疑問に思わずにそれをしていました。
でもある時、テレビを見ました。
その時、自分の置かれている環境はおかしいと思って家を飛び出しました。
私の体で男の人を愉しませて、泊めてもらおうと考えました」
「ふむ。それで真昼君にターゲット絞ったわけだ」
「はは、面白いねー。初心そうだから?」
「はい、そうです…。
前にも何人か同じようにして泊めてもらってのでやったんです」
「そかそか。ごめんね、辛い話だった?」
「いえ、全然…」
…衣玖乃ちゃん。
「嘘つかないでね、衣玖乃ちゃん。
顔に書いてあるよ、辛かったって」
「っ、ぅ…A様ぁ〜…」
「わあ、泣かれると困るんだけど…」
まあ、確かに衣玖乃ちゃんは同い年とは思えないほど顔は整ってるし私より胸大きいし。
…細いし。肌白いし。
…羨ましいとか思ってないよ。全然。
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作者名:リリムゥ | 作成日時:2018年1月26日 18時