どこかのなんかの争い ページ28
「だってA様は、誰よりも繊細ですから！」
「…え、っと…理由になってないよ！？」
「今日、A様のお母様とお姉様の命日でしょう？」
「…何言ってるの、衣玖乃ちゃん」
そして何故さりげなく壁ドンを。
初めてなんだけども一応。
「近い近い近い怖いって！」
「あれ？もしかして初めてですかA様」
「ああそうだよ悪いか！」
「A様の初めてを奪えました♪」
「誤解生む言い方やめようか！」
恍惚とした表情で壁ドンを続ける衣玖乃ちゃん。
「…衣玖乃ちゃん。君は何者か」
「？私は私ですよ」
「違う。吸血鬼とも鬼とも悪魔とも違う。
ましてや人間でも違う。匂いが違う。
もう一度問おう、何者だ」
「…むー、もうちょっと隠しておこうかと思ったんですけどねえ…。
言います、A様のお願いですから。
天使です。天使。
ああ！でも、あの人達とは違います！」
「…誰？」
「A様と違うクラスですけど、同じ学校でした！」
「お、俺は同じクラスだったもんね！」
「私は親友だもんね！」
「お前らはどこで争ってるの」
衣玖乃ちゃんの肩を押しながらそう言う。
本当にどこで争ってるの。
「あ、飲み物なくなった。
ゆう、一緒に取りに行くか」
「行く！Aおねーちゃん待って！」
「おー、待ってやるから早くしろ」
「A様！私も行きたいです！」
「後で一緒に行くか」
あ、本当にめっちゃ今更だけれども。
ファミレスの団体の人に貸す用の大部屋に全員います。
そんなファミレスあるか。あってたまるか。
だけどあったんだよね。すごいね。
大部屋を出て、ゆうと一緒にドリンクバーに行く。
「…ゆう、私トイレ行ってくるから先戻っててくれるか？
一人で戻れるよな？」
「うん！大丈夫！」
「こぼさないようにな」
はーい、と元気な返事を聞いてから女子トイレに入る。
あれなの忘れてた。
女の子の日。いや、そんな腹痛も頭痛もしないけどね。変えとかないと。
…終了…
…私なー…女の子の日でも特に気分悪くなったりはしないんだ。
でも、音葉ひどいよ？いつもの反動かってくらい怒る。
…もうそろそろ女の子の日じゃねー…？とか思いつつ大部屋に戻る。
瞬間、三人の人物に抱きつかれる。
「ゔぐぅっ」
しかも腹って。
勢いで後ろに倒れる。
何だよぉ…。
三人はお腹に頭をグリグリ押し付けている。
いや、なに本当に。
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作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年1月26日 18時
