違う、なんて ページ18
A side
意識がハッキリとした時、the地下室的なところにいた。
にしても結構暗いな。
手には手錠がかけられて、頭の上に固定されている。
座ってる状態だから、そこはありがたいな。
足には…枷か。
ガチャガチャガチャンッ
…うむ、壊れない。
「なによ、うるさいわね」
「あー、いたんだね」
「結構前からね。それと、貴方捕まえた時から丸一日経ってるから」
「マジかよ。ゲームやり損ねた…」
「そこなのね。ああ、これみてちょうだい」
ああん？モニターか？
顔だけをあげてモニターを見てみる。
…言葉が、出てこなかった。
真昼が、音葉と笑っている。
ズキ、とどこかが痛んだ。
そんな訳はない、違う、違う…。
そんな事は頭ではわかってる。
頭でわかってても、心がわからない。
「違う、ちがう…」
二人で、笑ってた。
頭を横に振って、その考えを頭から消そうとする。
でも、笑い声が。
会話が。声が。
どうしても、聞こえてしまう。
…嘘だったのか。
違う、そんな訳はない。
…私のこと、嫌いだったのか。
違う、好きだって、言ってくれた。
…言葉なんて、確証がないもの信じるのか。
違う、真昼はそんな奴じゃない。
違う、違う、違う！
「(…これで作戦一、完了。
鬼火で幻を見せるなんて…考えたわね)」
やめて、やめて。
止めてよ。
自分でも気付かなかった。
涙が頬を伝っていることに。
違う、やめて。
そんな訳ない、嘘じゃない。
…でも、もしも本当なら…？
やめろ、そんな事考えたくない。
そんな訳ない、違う、違う。
…絶対とは言い切れない。
真昼は、音葉は、皆は、違う。
「ッああああああああああああ！」
違うはずだ。
言い切れない、絶対じゃない。
やり切れない、何で、何で！？
ダメだ、ダメだ、考えるな！！
そんな訳ない！
助けて、違うって、誰か…。
誰か…誰が？
独り。
助けてくれる人なんているのか？
独りじゃない、なんて誰が証明できる？
…独り。
なら、なら、助けなんて、来ない。
…独りでやってやろうじゃねーか。
ここから独りで出て、独りで暮らそう。
…独りなら、気楽だ。
…それでいいのか。
いい、別にいい。
…×××。
今更だ。
「…もうそろそろね」
何がだよ。まあいいや。
「…身嗜み、整えてあげる」
「はあ？」
まあ、してくれんだったらいいか。
体を洗い、髪を整える。
…手錠も外してくれた。
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作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年1月26日 18時
