さて。 ページ13
「…さて、それぞれの主が帰ってくる前に終わらせたいんだけど…」
「了解っ！クリア条件は？」
「流弥とゆうの奪還、綿貫桜哉の拉致」
「はーいっ！了解！」
音葉も呪文で銃を出す。
「【全部全部、わかんないや
どうせ全て無駄になってしまうのに
全て滑稽な夢の戯れなのに】」
まずは、自分の身体能力を上げる。
「まずは…取り巻きさん？」
「ひっ、ご、ごめんなさい！命だけは…！」
「何言ってるの？ダメに決まってるだろ？」
「ヒイッ！」
「A」
「…はいはい、わかってるよ、捕縛だけだろ？
殺しはしないよ」
「わかってるならよし！」
呪文を唱えて、即捕縛の輪をかける。
「【赤い部屋は全てクレヨンで描いた文字で
何が書いてあるかは
入って朽ちてからわかるんだ】」
「なッ！？」
「よし、綿貫桜哉の捕縛完了」
「わー、Aがいつも閉じこもる箱だー」
「頑丈だしな。ここから落としても壊れない」
…だけど、あまりにも順調すぎる。
おかしい。
「！？がっ…は…」
急に首を絞められた。
目に見えない。透明…？
取り敢えず足を動かして目の前にいる犯人であろう奴の腹を蹴る。
「ぐふっ…！」
「がはっ、げほ、げほ…っ」
よかった、実体はあった。
実体なかったらそのまま死んでたな。
「…げほ、姉ちゃん、かな…」
「アイドルを蹴るなんて…。
なんて失礼な子かしら。
そんな風に育てた覚えはないのだけれど」
「そりゃそうだろうね。
私はゲームとマンガに育てられたからね」
…はー、面倒だなあ…。
「…姉ちゃんを殺さなくちゃいけないなんて、残念だよ」
「心にもないこと言うんじゃないわよ、嘘つき」
「あはは、バレた？」
「…檀を殺すなんてこと、私が許さないわ。
この化け物が」
「…母さんも、変わったよねえ…」
周りの目を気にするようになった。
「A！」
「…了解」
とんっ、とリズムをとるように足を動かす。
そして、こう言った。
「「【さあさあ、狂って遊びましょう？
たのしーよ、たのしーよ
おどろう、おどろう
クルイアソビ、あははっ、たのしーね？】」」
「【だぁれも見てくれないんだもん
だから、仕方ないよねー？】」
「【あれ、なんの話をしてたのかな…】」
「「【おぼえてないや】」」
「は？何これ…っ」
「決まってるじゃんか、主人が来てくれるまで出れない」
いや、何も決まってはないか。
取り巻き一人だけ残してあとは閉じ込めた。
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作者名：リリムゥ | 作成日時：2018年1月26日 18時
