【サーヴァンプ】なんでだろ…。【トリップ】

doubt ページ29

…で、うん、まあ…。

一回死んじゃったね！

痛覚とかはあるからな…痛いんだよ、ものすごく。

…さて。

腹に刺さったままのナイフを抜き、姉ちゃんに切り掛かる。

ザクッという音と共に舞う血飛沫。


「…あれ、結構深く切っちゃった。

ごめんねー、姉ちゃん」

「ッ、何でまだ生きて…！」

「いや、悪魔って沢山命があるんだよ？

知らなかった？ねえねえ知らなかった？」

「…うるさいッ！！」

「あ、そうだ。音葉」

「うんっ！」

「嘘成功したな。お疲れ」

「やったーっ！」


ぱんっ、とハイタッチをする。


「…ただ、普通の家に生まれたかっただけ。

ただ、愛されたかっただけ。

ただ、友達と楽しく遊びたかっただけ。

…それの何がいけないんだろうか」

「…！」

「全てのものは、カネで買える代物さ。

悲しいから、苦しいから、嫌だったから。

君の心の色は何色だろうか」

「気を付けて！」


さて、皆さん。問題です。

これは、呪文でしょうか？

それともそれ以外の何かか。


「…はいっ、嘘ー！」

「あははっ、頭の悪い人相手だと楽しいね！」

「ッ、この愚娘共が！」

「おっと」


突進してきた四人に向けてこう言い放つ。


「「足元にはお気をつけてお帰りください」」


歪んだ地面に足を取られた四人。

そしてそのまま自分達が泊まっていたホテルや家に帰るだろう。


「これぞ嘘の嘘ってね！」

「あははっ、本当に楽しかったね！」

「ああ、いい暇つぶしになった！」

「え〜！暇つぶしだったのー？」

「んー、楽しかったからいいだろ？」

「うんっ！」

「さて、流弥、ゆう。飯食うか。

それと、真昼。心配させてごめんね」

「…もう、無茶すんなよ…」

「…んーと、そしたら…抱きしめてくれね？」

「…は？」


…えっとね、こっちだって恥ずかしいんだよ？

意味が分からないのはこっちだって同じだよ。

さっき、流弥に真昼に抱っこ要求しろって言われたんだよ。

ゲームが人質にされました。


「…これでいいのか？」

「…うん、あったかいね。さすが主夫」←

「だから、主夫じゃねえって！」

「いやいや、褒め言葉だよ？」

「褒め言葉に感じねえよ…」


んー…やっぱ落ち着くなあ…。

ってかこのまま寝そう…。

うとうととしていると、力が抜けた。

そしてそのまま来る何かに身を任せた。

聞きたい。→←ごめん。

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