その頃 ページ9
音葉side
Aがご飯作りに行った後、御園君とリリィは自分の部屋に戻ったんだ！
それで、リビングには私と真昼君とクロがいる。
「ねえねえ、クロは吸血鬼だって言ってたけど本当？」
「あー…本当だ」
「わー！すっごい！
んー…でも、吸血鬼っぽくないねー！」
「本当だよな。
こいつ吸血鬼っぽくないんだよ。
どっちかっていうと、ニートっぽい！」
「オレは癒し系ネコだぞ〜…。
可愛い俺に癒されろ〜…」
そう言うとクロは、黒猫に変化した。
「わああああ！可愛い〜！
ねえ！触っていい？」
「良いんじゃないか？
俺はAのところ行ってくる」
「？わかった！」
「にゃー…」
私は黒猫に変わったクロを撫でた。
ってか本っ当に可愛い！
癒される！
しばらく撫でていると、ある事を思い出した。
「あっ！あれ忘れてた！
ごめんね！クロ！部屋戻るね！」
「おー…」
小走りで一階にある自分の部屋に行く。
ドアを開けると、愛しい愛しい人形や写真。
けど、今はそれをじっくり見てる時間は無い。
自分の机の引き出しの中にある病院から処方された薬の袋。
その中から丸薬が二つ入っている透明な袋を一つ取り出す。
それを持ってキッチンに向かう。
キッチンには、Aと真昼君が居た。
「A！
お茶ちょうだい！」
「そこに置いてあるよ。
薬だろ？早よ飲め」
「うん！」
そう言ってAが用意してくれたお茶を少し口に含み、丸薬を口に放り込む。
少しの苦味が口に広がる。
そんな苦味が嫌で、すぐにお茶と共に飲み込む。
「…っはー…。
ん！ありがと！」
「はいよ。コップちょうだい。
洗っちゃうから」
「はい！
じゃ、クロに癒されてくる！」
「ん。
あ、もうそろそろ出来るからランチマット敷いておけ」
「はーい！分かったよお母さん！」
「私はお前の母親じゃない」
「あはは！ごめんね！」
「はあ…」
ため息をつくA。
こう言いながらも私の世話を焼くAは優しいと思う。
Aはよく私に向かって暴言を吐くけど、それは仲がいい証拠なんだよねー。
だってA、学校では全っ然違うもん！
まあ、私も違うんだけどね！
Aに渡されたランチマットをテーブルを敷きながらそんな事を思う。
…私はAの事親友だって思ってるけど、Aはどうなんだろうなあ…。
Aって、道化師だから、心にない事言うんだよねー。
後で聞いてみよう！
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作者名：リリムゥ | 作成日時：2017年12月12日 19時
