不安と安心。次の日 ページ47
真昼 side
音葉に無理矢理Aの部屋に入れられた。
そして、
「健闘を祈る！」
って言ってリビングに戻った。
いろいろ突っ込みたかったけど我慢した。
「ん、ん…」
「っ！？」
起きたのかと思ってちょっとびっくりした…。
…ってか、何をすればいいんだよ！
…手握ればいいのか…？
それとも、一緒に寝るとか？
「…姉ちゃ、ごめんなさ…っ」
そう言って、Aは涙を少し流した。
気が付いたら、俺はAの手を握り、ベッドにもたれかかってた。
…何やってんだ俺！！
でも、手を握って少しすると、不安気だった顔がだんだん落ち着いてきた。
それを見ると、ホッとした。
そして、なぜかAの頭の上に手を乗せて、頭を撫でていた。
Aは、少しくすぐったそうに身をよじって、安心したように寝た。
もうそろそろ行こうかとも思ったけど、
まだ近くに居たいなと思ってそのまま俺も眠りについた。
A side
手の温もりと、頭にある少しの違和感で目が覚めた。
今は…朝か。
手は、誰かに握られていて、頭も同じ人だと思われる手が乗っかっていた。
近くを見ると、真昼の姿が。
でも、何で真昼が自分の部屋に入っていて、しかも手を握りながら一緒に寝てるのか。
何でベッドの中で一緒に寝てるのか。
そして何で抱きしめながら寝てんの！？
…まあ、まずやりたいことは。
「…っ、うわああぁああ！？」
叫びたい。
意味わからんからとりあえず叫びたい。
「…っ！？え、何で俺…えっ！？」
真昼も、なんでこんなことになってるのか知らないっぽい。
「…まず、君がしたことを問おうか。
正直に言ってね？」
「はい…」
「…まず、私に何をした？」
「えっと、手を握って、頭少し撫でて、ベッドにもたれかかって少し寝た」
「…ベッドの中には入ってないと」
「ああ」
「…次、誰に言われてこんなことした？
まあ、音葉だろうけど」
「音葉に言われてやりました」
「…よし、あいつ締めようか」
何も言わないね。
まあいいけどさ。
リビングに降りました。
朝といっても、もう昼近いので、皆揃ってた。
「あ、Aと真昼君！おはよー！」
「…………」
「え、なんで何も言わないの！？」
「…まずおはようじゃないよなあ？
何で真昼が私の部屋にいるんだよ」
「私が頼み込みました。すみません！」
「なら、もう一つ問おう」
「はい！なんなりと！」
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作者名：リリムゥ | 作成日時：2017年12月12日 19時
